■これがあるからやめられない…いつの時代もスカッとするギャフン展開は読者から大人気

 サレ妻漫画が人気である最大の理由に「最終的には妻が夫をギャフンと言わせる」展開がある。この胸をなでおろす展開を待ち望むゆえ、読者は最後までサレ妻漫画を読み続けるのだろう。

 紹介しているSeason1の桃子と高弘の夫婦も、ただ別れるだけでは終わらない。高弘の浮気が原因で離婚を決めた桃子だが、その前に「仲人さんに挨拶をしてから別れる」という条件を出す。実はこの挨拶にはとんでもない展開が待っているのだが……それはぜひとも本編で確かめていただきたい。

 また『極限夫婦』のギャフン展開は、会社の人間や親戚など、大勢の前で夫に恥をかかせるエピソードが多い。それまで妻を苦しめてきた憎たらしい夫が恥をかく姿に、溜飲を下げる読者は多いだろう。

 思えば昔から悪者を完全にやっつけるストーリーは人気だ。昭和の時代は悪い悪代官をやっつける『水戸黄門』などの時代劇が人気だったし、平成には悪と対峙する教師を描いたドラマ『ごくせん』などが大ヒット。悪徳上司を成敗する『半沢直樹』も、驚異的な視聴率を叩き出した。

 サレ妻漫画の多くは夫をやっつけるエピソードになっており、いわば悪者をこらしめる“勧善懲悪”の話とも言える。善と悪の境目が徐々に分かりにくくなっている現代において、サレ妻漫画は悪を成敗する話の新しい形とも言えるかもしれない。

 

「サレ妻」漫画では、夫が異常なほど冷たくひどすぎるモラハラをするなど、多少は誇張されている部分もあるだろう。しかし現実においてもパートナーにストレスを抱えている夫婦は多く、スカッと夫を成敗してくれる展開に共感する人は多いのだと思う。

「漫画ほど悪い夫や妻じゃないけど、時にはガツンと相手に文句を言いたい!」そんな気持ちを抱えている人にも、サレ妻漫画はおススメだ。

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