ペドロや梁師範、アナベベも…徳弘正也『ジャングルの王者ターちゃん♡』に登場する懐かしい「ターちゃんファミリー」の画像
放送開始25周年記念企画 『ジャングルの王者ターちゃん』Blu-ray Vol.2【想い出のアニメライブラリー 第79集】(TCエンタテインメント)

 1988年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された、徳弘正也氏の人気ギャグ漫画『ジャングルの王者ターちゃん♡』。本作では続編も含めて、主人公・ターちゃんと仲間たち“ターちゃんファミリー”が大活躍する。

 ターちゃんだけでも十分面白いのだが、ファミリーが揃うと愛妻・ヂェーンとの駆け引きはもちろん、ハチャメチャさが倍増し、より面白かったものだ。そこで、ファミリーのなかでも、とくに面白かったペドロ、梁師範、アナベベの3人に絞って振り返ってみよう。

■「おそれいりました!」はもはや名言!? ターちゃんの一番弟子「ペドロ・カズマイヤー」

 まずは、ターちゃんの一番弟子のペドロ・カズマイヤーだ。いつも道着姿で懸命に修行をしている彼は、ターちゃんやヂェーンのおかげで家事も万全なイケメン空手家である。プライドも高く、新参者には少々冷たい素振りも見せていたが、基本的には真面目すぎるキャラだった。

 格闘編になってからは、新キャラ登場時のやられ役となっているシーンもあったが、実力は通常の格闘家よりも段違いに強い。

 尊敬するターちゃんのことを「先生」と呼び、少しでも近づきたいと修行に明け暮れている彼だが、時に自信をなくしてしまうこともあった。

 でもそれは、修行時のパートナーが圧倒的に強いターちゃんだから。ペドロは自分がどれほど強くなれているのかが分からないのだろう……。だって、ターちゃんはペドロの攻撃をすべて“ふにふに”でかわすし、時にはハンデと称してヒモを持ち出し、あやとりをするといって“はしご”を完成させていたし。

 そして、ペドロといえば正座しての名言「おそれいりました!」が有名だ。これは当時、小学校でも大流行し、ギャグの締めに使われていた。

 心に残っているのが、ターちゃんとトーナメントで対決したときのエピソードだ。対戦中、さまざまな思い出が駆け巡るペドロ。パンチがかすりターちゃんに「ナイスパンチ」と言われ、思わず涙をこぼして喜ぶ。背後に回られて気を失ってしまったが、あれには感動したものだ。

■どちらかというとギャグ専門だった? 当初は強さが不明だった「梁師範」

 中国編から登場したのが、中国西派32門「白華拳」の最高師範の梁師範だ。初登場時は壁際で気を放つように高弟3人を倒した!……と思いきや、まさかの麻雀で大三元を上がっていた(役満だから確かに凄いが……)。

 梁師範は気を溜めて放出する“百歩神拳”の使い手で中国拳法の達人なのだが、当初はギャグに走っているシーンが多かった。

 たとえば、5人勝ち抜きの西派格闘大会のトーナメントでのこと。ライバルの黒龍拳が先鋒一人で片を付けようとしており、梁師範は“お菓子を開封したヂェーンが食べ終わるまでに勝つ”と10万元をかけて予想。しかし、試合開始直後2秒で食べ終わりそうな勢いのヂェーンを見て、「黒龍拳がんばれ!!」と、必死に敵を応援していた。

 また、“気”を使えないターちゃんが大きな岩を砕いて「このぐらいできるぞ」とアピールすると、飛んできた破片に当たって梁師範はまさかの気絶。大丈夫かこのオジさん……と思ったのは、筆者だけではないだろう。

 だが、カッコいいシーンももちろんあった。黒龍拳がターちゃんに敗れ去ったあと、最高師範の王翬が白華直系の血を絶やそうと、梁師範の恋人・白華拳大道師の蓮苞を抹殺しようと最後の気を絞って攻撃してくる。梁師範はそれを身を盾にしてかばうのだ。

 愛する女性のために身を挺する男気……なんともカッコいいではないか。でも、その横で観戦していたヂェーンが、とばっちりで半身黒焦げになっていたのには笑えたな。

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