令和でも大人気! 女児の定番おもちゃ『シルバニアファミリー』の進化を振り返る…流行りの「シルバニア撮り」や「カプセルトイのミニチュア」遊びとはの画像
シルバニアファミリーⒸ EPOCH

 まだスマホやオンラインゲームなどがなかった昭和の時代、子どもが遊ぶおもちゃは限られていた。男児の間でキン消しこと『キン肉マン消しゴム』が流行ったころ、女児向けのおもちゃとして誕生したのが『シルバニアファミリー』である。

『シルバニアファミリー』はエポック社から販売された、小さな動物人形とそのドールハウスだ。それまでドールハウスといえば“リカちゃん人形”のような“女の子”をモチーフとした人形が中心だったが、『シルバニアファミリー』は可愛らしい動物の人形と精巧な家具が話題となり、瞬く間に人気になったのである。

 今回は、そんな『シルバニアファミリー』の歴史と、今流行している遊び方などを紹介したい。

■昭和のシルバニアファミリーはこう遊んでいた

『シルバニアファミリー』は、1985年に誕生した。初代のシルバニアハウスは、赤い三角屋根が特徴の2階建てのお家だ。動物たちの種類はウサギ、リス、クマ、タヌキ、ネズミ、モグラ、キツネと、色違いを含め9種類あった。

 昭和生まれの筆者も、幼いころに『シルバニアファミリー』を買ってもらった思い出がある。しかし我が家にはすでにリカちゃんのドールハウスがあったため、買ってもらえたのは人形といくつかの家具だけだった。それだけでも結構な値段だった記憶がある。

 購入後は姉や友達と一緒に、よく“おままごと”をした。背景はリカちゃんハウスなのでやや違和感はあったものの、ベッドや机・椅子セットのおかげで十分楽しめた。全部で4〜5体のキャラクターを持っていたが、その動物を動かすたびに声や性格を変えて遊んだ。ちなみに布団はなかったので、とりあえずティッシュをウサギの上に置き、布団替わりにしていたような……。

『シルバニアファミリー』は当時の女児たちのコミュニケーション力を高め、想像力を向上させてくれたおもちゃだったように思う。

■昭和、平成、令和と進化する『シルバニアファミリー』がスゴイ…!

 時は経ち、平成になって娘に『シルバニアファミリー』を買う立場になった筆者。そのころには、人形やドールハウスの種類も各段に増えていた。

 購入したのは「森のたのしいようちえん」シリーズ。ピアノや滑り台、幼稚園バスなどもあって、これほど精巧な作りだったことにあらためて驚いた。

 可愛らしい絵本やフォークやナイフなどの小物もあったが、まだ小さかった下の息子が口に入れてしまわないかと目を光らせていたものである。それでも娘は弟が好きなトミカにもなんとかシルバニアの人形を乗せ、2人で楽しそうに遊んでいた。

 令和になった現在、『シルバニアファミリー』はさらに進化している。たとえば「トイレセット」。便座はもちろん、手洗い台や掃除道具、なんと赤ちゃん用便座もついている。さらにレバーを動かすとフェイクの水が流れ、トイレットペーパーも引き出せるのだ。

 また家電も現代に合わせた仕様になっている。洗濯機はドラム式で、実際に扉が開いて小さなタオルなどが入る。さらに掃除機はコードレススティックで、人形の手に掛けると本当に吸引しているようなリアルさが感じられるのだ。

 当初9つだった動物の種類も、今では45種類以上にのぼるという。久しぶりに『シルバニアファミリー』を見ると、今はこんなに商品があるのだと本当に驚かされる。

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