津田健次郎さんや三石琴乃さん、宮野真守さんなど、声の仕事以外にドラマやバラエティなどで幅広く活躍する有名声優は数多い。そして中には、子役として活躍していた過去を持つ人もいる。今回は、子役時代に特撮作品に出演していた声優たちをご紹介していこう。
■『仮面ライダー５５５』に出演していた悠木碧さん
まずは、『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目まどか役や『ソードアート・オンライン』のユウキ／紺野木綿季役のほか、現在放送中の『薬屋のひとりごと』の猫猫役などで知られる悠木碧（旧芸名：八武﨑碧）さん。彼女は子役時代、今年で放送２０周年を迎えた２００３年放送の『仮面ライダー５５５』で、ヒロイン・園田真理の子ども時代を演じていた。
本作では、真理が小学生時代を過ごした養護施設「流星塾」が重要なキーとなっており、回想シーンには子役だった悠木さんがたびたび登場する。
真理は気が強く思ったことははっきり言うが、その一方で流星塾メンバーなど親しい人には思いやりが強い。それは子どもの頃からで、のちに仮面ライダーカイザの変身者となる流星塾メンバー・草加雅人を、いじめっ子たちから守ったりするシーンもあった。
また同じく流星塾メンバーの澤田亜希からは好意ゆえにちょっかいをかけられていたが、自分が転んだときに彼が折り紙を渡してなぐさめてくれた思い出を何年経っても大事にしている。
このように明るく思いやりの強い子ども時代の真理は、のちに悠木さんが演じるキャラクターと似通っている部分もあるように思う。
当時から“もっといろんなものになりたい”という想いを持っていたという悠木さんは、２００３年に『キノの旅』に出演して以来、姿かたちにとらわれない声優という仕事に魅せられ今に至る。しかしそれまでの実写作品での経験も、今の彼女を作り上げた大切な要素のひとつだろう。
■『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ＆ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』に出演していた入野自由さん
続いては、『千と千尋の神隠し』のハク役、『キングダム ハーツ』シリーズのソラ役、『機動戦士ガンダム００』の沙慈・クロスロード役など、数々の作品に出演する入野自由さんを紹介する。
彼は子役時代に、ウルトラマンシリーズの映画『ウルトラマンティガ＆ウルトラマンダイナ＆ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』に出演している。本作は不思議な力を持つ赤い球を巡る物語で、メインで活躍するのは高山我夢／ウルトラマンガイアと子役時代の濱田岳さん演じる主人公・勉だ。振り返ってみると、キャスティングが豪華で驚いてしまう。
入野さんが演じたのは、平間優という眼鏡をかけた現実主義的な小学生男子。知的なイメージのキャラを演じることも多い入野さんの、現在のイメージと合っているようにも思う。
優は濱田岳さん演じる主人公・勉の親友だが、ウルトラマンという「物語の世界」に没頭しがちな彼の話を、呆れ気味に聞いていることが多い。しかしそんな彼も本心では現実を否定しており、年相応に楽しい世界を作りたいとさえ考えている……というキャラクターだ。
入野さんはのちに声優としても特撮作品に出演し、『仮面ライダーオーズ/ＯＯＯ』のアンク（ロスト）の声、『ウルトラマンゼロ外伝 キラー ザ ビートスター』のジャンキラー／ジャンナインの声などを担当している。
芸歴３１年というキャリアの長さや、演技の仕事の他にアーティスト活動もこなすマルチな才能で知られる入野さん。今後のさらなる活躍が楽しみだ。
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