■傑作回と名高い泉昌之氏原作のエピソード
さて、『世にも奇妙な物語』ファンの間では傑作と名高い有名回「理想のスキヤキ」「夜汽車の男」も原作は漫画だ。原作は漫画家コンビ・泉昌之によるもので、同コンビの作品は食事をテーマにしたものが多いのが特徴。
2009年に放送された伊藤淳史さん主演の「理想のスキヤキ」(原作タイトル「最後の晩餐」)は、独自のすき焼き論を持つ男が恋人の実家に訪れ、その家のすき焼きルールにヤキモキするという話。
大杉漣さんの渋い演技が光る、2002年放送の「夜汽車の男」(原作タイトル「夜行」)は、夜汽車の中で一人の男が弁当のおかずを食べる順番を吟味する話。笑撃のオチは必見だ。
どちらも食べ物に固執する男の様子が滑稽である。ホラー作品ではないが、なぜか内容が頭から離れない中毒性がある。
一風変わったところでは、尾田栄一郎さんの『ONE PIECE』から設定を借りた、2015年の『25周年スペシャル・春~人気マンガ家競演編~』で放送された「ゴムゴムの男」というものもある。こちらはあくまで設定の流用であり尾田さんは原作に関わっていないが、阿部寛さんが演じる、とある組の若頭がゴムゴムの実を食べたことでゴム人間になるという内容で、もしルフィのようなゴム人間が実在したらとワクワクする内容だった。ルフィがCGで登場したことも話題を集めた。
毎回予想できない展開が視聴者の心を掴んで離さない『世にも奇妙な物語』。今回はどんな奇妙な物語に出会えるのか、楽しみだ。