成田良悟氏が原作を手掛けるアニメ『デュラララ!!』(MBS・TBSほかにて)の放送から2023年で13年になる。個性的な若者たちが活躍する群像劇は、2010年当時多くのアニメ好きを夢中にさせた。
物語の舞台でもある東京の池袋はファンから「聖地」と呼ばれ、聖地巡礼に足を運んだ人もいるだろう。
そんな池袋が、13年前のあのころから大きく変わろうとしている。施設の老朽化、文化を重視する「国際アート・カルチャー都市」をめざす街づくりなど、さまざまな要因が重なり、池袋に再開発の波が押し寄せているのだ。
今回は、13年前のアニメ『デュラララ!!』で登場した「聖地」が今どうなっているかを見ていきたい。
■ダラーズ初集会の聖地も…東急ハンズの閉店
『デュラララ!!』では、池袋のなかでも東口方面がよく取り上げられている。とくに多くの人で賑わうサンシャイン通り近辺は、ストーリーでも頻出していた。
個人的に思い出深いのが、アニメ第11話で舞台となったサンシャイン60通りの「東急ハンズ池袋店」前だ。それまで謎に包まれていたカラーギャング「ダラーズ」が初めて集会し、予想外の人物がリーダーだと判明する、物語のクライマックスだ。そんな大事なシーンに使われたのが、東急ハンズ池袋店の前だった。
しかし、東急ハンズ池袋店は2021年10月に惜しまれながら閉店。2023年現在は「ニトリ」が営業中だ。ほかにもOP映像で一瞬だけ見える「ケンタッキーフライドチキン 池袋サンシャイン通り店」も2021年1月に閉店しており、サンシャイン通り近辺は、あのころから少しずつ風景を変えている。
■切り裂き魔との死闘の地…2016年にリニューアルした南池袋公園
東口ならば、アニメ第17話で登場した南池袋公園も『デュラララ!!』の聖地である。”池袋で一番強い男”として恐れられる平和島静雄が、大量の切り裂き魔を相手に快刀乱麻の大暴れを見せた公園だ。
南池袋公園は2009年から大規模な改修工事をはじめ、2016年にリニューアルオープンしている。本作で描かれたような昔ながらの公園から、緑が綺麗な自然やカフェテリアが印象的な、市民の憩いの場へと華麗なる転身を遂げた。休日は家族連れも多く訪れている。
今ではとてもじゃないが、”池袋で一番強い男”と切り裂き魔集団の物騒な喧嘩に“ふさわしくない場所”と言えるだろう。