9月9日は「温泉の日」。これは多くの温泉が点在する大分県中西部の九重町が制定した記念日だ。
最近では温泉のみならず、「サ活」と呼ばれるサウナにハマる人が男女問わず増えており、中高年の趣味というイメージのあった温泉やサウナが全世代に注目されている。
■実写化ドラマ・映画でも増えている「温泉もの・サウナもの」
漫画原作の実写化作品でも、温泉やサウナをテーマにしたものが増えてきている。漫画ではなかなか伝わりにくい温泉やサウナならではの熱気を見事に表現できるのが実写化の長所だろう。
中でも今回は、キャストの美しい肌見せに惚れ惚れした「温泉&サウナをテーマにした実写化作品」を振り返りたい。
まずは、知名度抜群のところから。『コミックビーム』(エンターブレイン)にて2008年から2013年まで連載されていたヤマザキマリさんによる漫画『テルマエ・ロマエ』は、古代ローマ人が現代日本の風呂にタイムスリップし、日本の風呂を参考に古代ローマの風呂事情を良くしていく物語。古代ローマ人の主人公、ルシウス・モデストゥスが日本の風呂文化にカルチャーショックを受けるシーンが笑いを誘う人気作だ。
同作を原作に映画『テルマエ・ロマエ』(2012年)と『テルマエ・ロマエII』(2014年)が制作されているが、主人公のルシウスは濃い顔の俳優で知られる阿部寛さんが違和感なく演じた。大真面目に風呂に感銘を受ける様子がなんともシュールな面白さだった。
同作ではルシウスと交流を重ねる漫画家志望の派遣社員で、原作での小達さつきの役割にあたる山越真実が登場し、彼女を上戸彩さんが演じた。
風呂をテーマにした作品のため、阿部さんをはじめとした多くの男性役者の入浴シーンが登場するが、ほぼ紅一点ともいえる上戸さんの入浴シーンの美しさは別格だった。特に温泉の大きな岩にもたれかかり、背中を大胆に露出するシーンは女性でさえも見惚れるほどにため息ものだ。
何より、上戸さんの幸せそうな表情からは、温泉のあたたかさや、湯が体にじんわりと染み入る感じが存分に伝わってくる。こうしたシーンから、同作を見て温泉に入りたくなった人は多いのではないだろうか。
続いては、『湯遊ワンダーランド』。まんきつさんによるコミックエッセイで、2016年から2019年まで『週刊SPA!』(扶桑社)にて連載されていた作品。
実写ドラマは2023年7月よりテレビ東京系にて放送されており、主人公の万舟きつこ(まんきつ)を、ともさかりえさんが演じている。
同作は、素人漫画家のきつこが弟に「闇に飲み込まれた目をしている」と指摘され、毒を抜くためにサウナに行けという助言を受け、銭湯に通い始めるというストーリー。女性サウナーのリアルを描いており、サウナの魅力と作者独自のシュールな世界観が混ざり合った唯一無二の作品だ。
毎回サウナの魅力を知りどんどんサウナにはまっていくともさかさん演じるきつこは、ほぼ全話に渡って入浴シーンを披露。タオル一枚でサウナに入り汗まみれになったり、銭湯の湯にじっくり浸かったり、とにかく全編にわたって銭湯とサウナの良さをこれでもかと伝えてくる。また細かい部分で他の客から怒られてしまったり、知らなかったサウナルールを学べるのも面白い点だ。
入浴シーンが多いのに過剰ないやらしさを感じさせないのは、同作は女子が見て共感し楽しめる内容だからかもしれない。作中に登場するサウナは実在の店舗なので、サウナ啓発としても一役買っている作品といえるだろう。