1984年から1995年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載され、黄金期と呼ばれる同誌の人気を牽引した鳥山明さんの漫画『ドラゴンボール』。
人気は漫画にとどまらず、1986年にはテレビアニメがスタートし、『ドラゴンボールZ』『ドラゴンボールGT』と放送が続いた。その後はテレビアニメはしばらく鳴りを潜めたが、2015年から2018年にかけてオリジナルストーリーの『ドラゴンボール超』が放送され、次の世代へとファン層が広がっている。
アニメ『ドラゴンボールシリーズ』の“神回”と言えば、悟空がピッコロ大魔王を打ち破った「つらぬけーっ!」のシーンや、ナメック星で悟空が超サイヤ人へと覚醒したシーン、魔人ブウを元気玉でやっつけた「またな!」のシーンだったり、挙げはじめたらキリがない。
神回は挿入歌があることによって、テンションを2倍にも3倍にもさせてくれる。今回はアニメでも珍しい「挿入歌」が流れる、テンション爆上がりのアニメ版神回を紹介していきたい。
■めざせ天下一!『ドラゴンボール』第28話「激突!! パワー対パワー」
まず紹介するのは、第28話「激突!! パワー対パワー」だ。無印版『ドラゴンボール』と呼ばれる、悟空がまだ少年だった時代のエピソード。悟空とクリリンは、亀仙人に弟子入りし、厳しい修行を耐え抜いた。そして全世界からの強者が集う天下一武道会に、悟空とクリリンは修行の成果を見せるため参加することとなった。
第21回天下一武道会決勝、悟空と亀仙人扮するジャッキー・チュンは順調に勝ち上がり、師匠と弟子が相まみえることとなった。お互いさまざまな技を繰り出し、一進一退の攻防を繰り広げていた。両者一歩も引かず、精根尽き果てかけていたため、二人とも肉弾戦を仕掛けるよりほかなかった。試合時間はなんと4時間も経過していた。
そこで挿入歌として流れるのが、オープニングテーマ曲「魔訶不思議アドベンチャー!」の歌手で知られる高橋洋樹さんによる「めざせ天下一」だった。この曲は天津飯らと戦う第22回天下一武道会でも流れるが、チュンと悟空がお互いが肩で息をし、体力の限界を超えた死闘を繰り広げている最中に流れるこの曲とこのシーンは、ハチャメチャにエモかったりする。
決定的な一撃を決めようとお互い飛び蹴りをして両者ノックダウン。最終的に、立ち上がりにこやかに「優勝したもんねーっ!」と言ったほうが勝ち、というルールになり、ジャッキー・チュンが優勝する。
アニメ『ドラゴンボール』の天下一武道会中のエピソードでは、タイトルコールの際にも通常とは違う演出が採用され、大会の盛り上がりが表現されている。『ドラゴンボール』初期のシリアスあり、ギャグありの雰囲気が味わえるワクワクさせられる神回だ。
■孫悟飯の名シーンと言えば、コレ!『ドラゴンボールZ』第184話「16号無残!! 動き出す怒りの超悟飯」
続いて紹介するのは、『ドラゴンボールZ』第184話「16号無残!! 動き出す怒りの超悟飯」だ。『ドラゴンボール』ファンなら、このシーンをNO.1とする人も多いのではないだろうか。
ドクター・ゲロが生み出した人造人間セルは、人造人間17号18号を吸収し完全体となった。その強さは凄まじく、悟空ですら敵わなかった。悟空は息子・悟飯の潜在能力を見抜き、セルとの戦いに抜擢する。セルは悟飯を怒らせて潜在する力を開放させるために、セルジュニアを使って、Z戦士たちを痛めつけていた。直前にセルにバラバラにされた16号。頭部はまだ機能しており、ミスター・サタンが悟飯のそばに頭部を放り投げた。「悟飯…オ、オレの好きだった自然や動物たちを守ってやってくれ、頼んだぞ」と伝えたところで、セルに踏まれ破壊されてしまう。
そして、小鳥が飛ぶイメージが流れ、その後ピシッと赤い線(ブチギレたイメージ)が走る。そこで流れるのが、オープニング曲「CHA-LA HEAD-CHA-LA」で知られる影山ヒロノブさんが歌う「運命の日~魂vs魂~」。悟飯が涙を流し、ブチ切れて超サイヤ人2になるこのシーンのテンション爆上がりっぷりといったら、全『ドラゴンボール』ファンがうなずくだろう。
ちなみに小鳥といえば、映画『ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強』でも、悟空が弱っている小鳥を助け、超サイヤ人に覚醒するシーンがある。『ドラゴンボール』において覚醒と小鳥は何かと縁が深い。