大沢たかおに山崎賢人、長澤まさみも…『キングダム』シリーズ出演俳優たちの役作りがすごかったの画像
映画『キングダム 運命の炎』キャラクタービジュアル信ver.（C）原泰久／集英社 （C）2023映画「キングダム」製作委員会

　７月２８日、原泰久さんによる大人気漫画の実写化作品『キングダム』シリーズの最新作『キングダム 運命の炎』が公開された。累計では動員数２８９万９０００人、興行収入４１億６９００万円を突破し４週連続首位と、今夏大注目の作品だと言えるだろう。（８月２１日現在）

　そんな本作には、“中華統一”を目指す個性豊かなキャラクターたちが登場するのだが、実写化にあたって役に抜擢された俳優たちは並々ならぬ努力で役作りをおこなっているようだ。今回はそんな俳優たちの役作りについて紹介していこう。

■プロデューサーからのアドバイスで腹をくくった!? 王騎役・大沢たかおさん

　シリーズのなかでも、ひと際大きな存在感を放っているのが、主人公・信にとっても大きな存在である“伝説の大将軍”・王騎だろう。ビジュアルはもちろん、「ンフフフ」「ココココ」という笑い方や、独特な語尾もインパクト大。そんな王騎を演じているのが、俳優の大沢たかおさんだ。

　大沢さんといえば高身長でスタイルが良く、優しそうな眼差しが印象的だが、『キングダム』でもトップクラスの体躯を誇る王騎役とあって、今までのイメージを覆すような演技を見せている。

　実は大沢さん、かなりの覚悟をもって役作りをおこなったそうだ。というのも、王騎のオファーを受けた際、映画のプロデューサーから「ネットユーザーに酷評されるターゲットになる」と話があったのだそう。

　“ハードルの高い役”であることを感じながらも、「苦しまないとだめなんですよね」「やれるだけやってみます」と引き受けたことを、７月３０日に放送された『おしゃれクリップ』で明かしていた。

　そうして大沢さんは、過酷なトレーニングと徹底的な食事管理などで約２０ｋｇもの増量に成功。なんとベンチプレスを１２０ｋｇ持ち上げるレベルまで到達したという。

　その結果、原作に負けない圧倒的な迫力のある王騎が誕生した。驚愕の肉体改造を遂げた大沢さんの姿を見れば、原作ファンも納得であること間違いないだろう。

■ストイックさは筋金入り!? 過酷なトレーニングに挑んだ信役・山﨑賢人さん

　本作で主人公・信を演じているのは、漫画実写化作品の常連でもある山﨑賢人さんだ。山﨑さんは戦争孤児である信を演じるにあたって、約１０ｋｇもの減量をおこなったという。もともとスリムなイメージの山﨑さんだが、作中ではより無駄な肉のない痩せた体を見ることができる。

　第１作目にあたる『キングダム』の撮影を振り返るインタビューで、山﨑さんは撮影中に炭水化物を抜き、アクションの練習に励んだことを明かしている。自然と動かしている筋肉以外は削ぎ落とされていき、だんだんと原作の信の体つきへと近づいていったそうだ。

　とはいえ、「ずっとお腹が空いてキツかったです」と冗談まじりに語っていた山﨑さん。信からは“ハングリー精神”のようなものを感じるのだが、山﨑さん自身もかなり“ハングリー”な状態での撮影となったようだ。お腹が空いている状態だからこそ、孤児から成り上がろうともがく信の強い思いを感じる名演技が生まれていたのかもしれない。

■“毎日素振り１００回”で最強の王を演じた！ 楊端和役・長澤まさみさん

　信にとって心強い味方となったのは、山の民を統べる王であり、その強さから恐れられている楊端和だ。仮面の下は美女……というミステリアスな楊端和を演じたのは、原作から飛び出してきたかのような美しさを放っていた長澤まさみさんだった。

　長澤さんは“絶対的な強さ”を持つ楊端和を演じるにあたり、役作りで“素振り”を毎日１００回こなしていたことを第１作目『キングダム』当時のインタビューにて明かしている。

　しかもこの“素振り”はただの“素振り”ではなく、「ベッドに当たらない寸止めの素振りを１００回しました。両手で同時に。」ということだった。一般的な女性が素振りを１００回おこなうだけでもつらいはずなのに、寸止めの素振りとは……俳優たちの役作りへの努力には頭が下がる思いだ。

　この努力によって完成された楊端和は、美しさと強さをかね揃えたキャラクターとして見事に表現されていた。「見たことのないところに筋肉がつきました」と、長澤さんは明るく語っていたようだが、日頃からトレーニングをしているであろう彼女でさえ、未知の領域へと踏み込ませてしまう『キングダム』シリーズ、なんとも恐るべしである。

 

『キングダム』シリーズでは上記に挙げた俳優以外にも、騰役の要潤さんが鎧で体が見えないにもかかわらずトレーニングをおこない、撮影ではマスカラとアイラインで騰に近づける努力をしていたことや、羌瘣役の清野菜名さんが剣術を身につけるため３カ月間にも及ぶトレーニングをおこなったことも明かされている。

　それまで「実写化不可能」と言われていた本作。俳優陣が口を揃えて「役作りが大変だった」と語るのも頷けるエピソードばかりだった。

　役に合わせて体を作り変え、さまざまな技術を身につけていく必要がある俳優たちは、原作への敬愛をエネルギーに、ファンを楽しませるために努力しているのだろう。そう思うと、あらためてじっくりと作品を味わってみようと思った次第だ。