8月29日は『ターミネーター』審判の日! AIの反乱を描く名作SF映画の魅力と思い出を振り返るの画像
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 8月29日は『ターミネーター』〈審判の日〉という記念日だ。20世紀フォックス映画が制定したのだが、『ターミネーター2』作中で、1997年8月29日にAIコンピューターの「スカイネット」が反乱を起こし、核戦争を起こしたのが由来である。

 思えば『ターミネーター』の内容は現代にも共鳴する内容であり、これからの社会をどう生きるかのヒントにもなりそうだ。今回は世界中に大旋風を巻き起こした『ターミネーター』1と2について、あらためてこの映画の魅力と当時起きたブームを振り返ってみよう。

■まるで未来を予見!? AIが人類に反乱を起こす未来性が怖い

『ターミネーター』は、AIの反乱と人類との戦争という恐ろしいテーマを描いた作品で、その第1作はアメリカでは1984年、日本では1985年に公開されている。アーノルド・シュワルツェネッガーさんが未来からやってきたAI殺人マシーンとなり、戦争のキーマンとなるサラ・コナーを暗殺するために殺戮を繰り返していく内容だ。

 当時はまだ「人工知能」という言葉が珍しかったが、現代ではすでに人工知能が利用されている。例えば文字を打ち込めば何でも答えてくれるChatGPTは、ライターや翻訳家の仕事を奪いかねないと思わされるほどの存在感がある。

 現時点ではAIが殺人マシーンになるには至っていないが、本作のメガホンを取ったジェームス・キャメロン監督は、「AIを兵器化することが最大の危険」と警鐘を鳴らしている。現にAI機能を搭載したミサイルも開発されており、AIの軍事利用がますます進んでしまっているのだ。

『ターミネーター』では最終的に人間が勝つといったハッピーエンドではなく、混沌とした未来が続く。この映画が未来を予見する要素を含んでいることが、その評価を高めている要因の一つとも言えるだろう。

■視聴者を震え上がらせた! CG技術や特殊メイクの革新性がスゴイ!

『ターミネーター』が世界を席巻した要因として、CG技術の革新も挙げられる。特に『ターミネーター2』(以下T2)における革新的な映像には、度肝を抜かれた人も多いだろう。

 T2の悪役である「T‐1000」は液体金属でできているロボットだ。銃で撃たれるなどして体が壊れても再生可能で、腕を刃物に変えたり、液体となって狭い場所を通ったりして主人公たちの命を執拗に狙う姿はとにかく恐ろしかった。

 個人的に印象的だったのが、T‐1000が飛んでいたヘリコプターに飛び乗り、体を液体化させてヘリコプターを奪うシーンだ。液体金属から人の形になったかと思うと、パイロットへ「降りるんだ」と冷酷に告げるシーンは衝撃的だった。

 また、T2が撮影された時期はちょうどCG技術が開発された時期であり、まだ手作りの特殊メイクも多く採用されていた。T‐1000がショットガンで撃たれ体に穴が空いたり、頭が真っ二つに割れたりする場面も、CGではなく手作りの演出でおこなっている。それが絶妙なリアリティを呼び、観客も没入感を深めることができた。本作品は真新しいCG技術と昔ながらの技術の巧みな組み合わせによって、驚異的な視覚体験を味わえる作品に仕上がっている。

■日常会話やCMにも影響! 日本に巻き起こった『ターミネーター』ブーム

 T2は日本社会において一大旋風を起こしている。まず主役ともいえる旧型ターミネーター役のアーノルド・シュワルツェネッガーさんは、本作品でさらに「シュワちゃん」の名を知らしめ、海外人気俳優の不動の地位を得た。劇中に出てくる「アイル・ビー・バック」というセリフは、日常会話やメディアでも多用されてきた。

 そして日本で大きなブームとなったのが、本作品でジョン・コナーを演じた美少年、エドワード・ファーロングさんだ。多くのメディアで取り上げられ大人気となった彼は、映画公開の翌年、大黒摩季さんの歌をBGMにサッカー少年役としてホットヌードルのCMにも出演している。

 エドワードさんは同時にCDデビューも果たしており、当時、筆者のクラスメイトが大事そうに8センチシングルを抱きしめていたのを覚えている。

 ちなみにT2は、当時ファミコンソフトにもなっている。映画の物語に沿ったゲーム展開が楽しめ、敵を倒しながらジョン少年を守るという内容になっており、こちらも興味深い。このように『ターミネーター』は日本のメディアやカルチャーにも大きな影響を与えた作品であった。

 

 SFアクション映画には多くの作品があるが、やはりその金字塔と言えるのが『ターミネーター』だろう。目が離せないアクションがあるだけでなく、現代にも通ずる未来への警鐘や独自の世界観があるのにも注目だ。今見ても何一つ色褪せることのない屈指の名作『ターミネーター』、8月29日「審判の日」をきっかけにぜひ視聴してもらいたい。

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