『有閑倶楽部』に『花より男子』も… 幼心に「こんな高校生になりたい」と夢見た少女マンガ3選の画像
一条ゆかり『有閑倶楽部』を旅する(別冊太陽 太陽の地図帖)(平凡社)

 幼いころ見た少女漫画で「将来はこんなセレブ高校生になりたい!」と思ったことはないだろうか。セレブ高校生の恋愛模様を描いた海外ドラマ『ゴシップガール』は現在でも人気で、内心そんなわけあるかと思いつつ、憧れもあって見入ってしまう人は多いだろう。

 日本の漫画でもスーパーセレブ級の高校生を描いた作品は多い。今回はそんなセレブが登場する大人っぽい高校生漫画を3選紹介する。

■選び抜かれたセレブ男女6人が織りなすドタバタ劇『有閑倶楽部』

 一条ゆかり氏による『有閑倶楽部』は、1981年に集英社の『りぼん』で連載がスタートした漫画である。

 聖プレジデント学園の高校生である剣菱悠理は、日本屈指の大財閥の令嬢。彼女を含む6人の生徒会メンバーは、警視総監の息子であったり、茶道家元の娘であったりと、有名なセレブばかりだ。そんな6人が毎回さまざまな事件に遭遇し、その類まれなる財力や美貌、知性を生かし問題を解決していく。

 なかでも大病院の院長の息子である菊正宗清四郎は、高校生にして5か国語ほど話せるというスーパー高校生だ。文武両道で容姿端麗なうえ、喧嘩も強く、ときには悪党を蹴散らしていく。現実にはありえない設定だが、ハラハラする展開と美しい細密な絵が魅力の本作に魅せられた読者は多い。

 昭和から平成にかけて人気を誇ったこちらの漫画だが、2022年に発売された作者のエッセイ集『不倫、それは峠の茶屋に似ている たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集』に「その後の有閑倶楽部」のショート漫画が掲載されている。華麗なる倶楽部のその後が気になる方は、ぜひチェックしてほしい。

■セレブ×庶民の恋愛漫画といえばこの作品『花より男子』

 神尾葉子氏による『花より男子』は、集英社の『マーガレット』で1992年から連載された少女漫画だ。セレブが通う英徳学園を舞台に、「F4」なるスーパーカリスマ男子4人と、主人公で庶民の牧野つくしが織りなす恋愛ストーリーである。

 つくしの恋愛相手である道明寺司は、総資産数千億とも言われる大財閥の長男である。好き放題に育ってきた彼はわがままで喧嘩っ早く、自己中心的だ。しかしつくしとの出会いが彼を変え、徐々に強さと優しさを持つ立派な男性へと成長していく。

 また道明寺のライバルでもある花沢類も、大企業の社長の跡取り息子というセレブだ。道明寺とは違って物静か、クールでいざというときに手を差し伸べてくれる様子が読者の心をつかんだ。

『花より男子』は、庶民の少女がハイスペック男子に愛されるシンデレラ・ストーリーである。F4のキャラクターは現実にはあり得ないほどのスーパーセレブだが、主人公つくしを襲う困難は現実味を帯び、彼女の成長や名セリフとともに共感を呼び起こしている。日本だけでなく韓国や中国、タイでもドラマ化されており、セレブから一般人が愛される恋愛シチュエーションを開拓した作品ともいえるだろう。

■お嬢様学校に通う人ってこんな感じ⁉ 憧れとコミカルを交えた『笑う大天使』

『笑う大天使』は川原泉氏によるコメディ少女漫画である。1987年に白泉社の『花とゆめ』で連載され、2006年には実写映画が公開された。

 本作は日本有数のお嬢様学校「聖ミカエル学園」に通う司城史緒、斉木和音、更科柚子の3人組が織りなすドタバタコメディ。彼女たちはそれぞれの事情でお嬢様ばかりの環境になじめず、日々ストレスを溜めていた。そんな中、ひょんなことから怪力を得た3人は、学園で起こる事件を解決していく……。

 この作品はクスリと笑える場面が多いうえ、「セレブお嬢様の生活ってこうかしら」と妄想させてくれるシーンも多い。史緒の住む豪邸や眠るベッドはマリーアントワネットを彷彿とさせるし、和音の家の雰囲気はまるで犬神家の一族のように高貴で謎めいている。おまけに和音をサポートするのは若く美しい切れ者秘書だ。

 一般市民には縁遠いセレブの生活を、シュールさとギャグを交えて面白おかしく描いている魅力的な作品だ。

 

 漫画に出てくる高校生セレブは、単にお金持ちなだけではなく、男女ともに容姿端麗であることが多い。見た目の華々しさに加えて悠々自適な生活を送る彼らに、憧れを持った読者は多いだろう。

 実際にそのような生活を送るのは難しいが、漫画を読んで思いを馳せるのは自由である。普段からつつましい生活をしているからこそ、現実とギャップのあるセレブ漫画は読んでいて面白いのだろう。