『サザエさん』花沢さんや『ポケモン』ムサシ・コジロウも…実は“原作に登場していなかった”誰もが知る有名キャラの画像
TVシリーズ特別編集版「名探偵コナン 本庁の刑事恋物語~結婚前夜~」告知画像 (c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

 作品のなかで重要なキャラクターでありながら、実は原作に登場していなかった……というケースはしばしばある。たとえば、『名探偵コナン』に登場する「高木渉」刑事。もともと「小嶋元太」役として出演していた声優の高木渉さんが、名前のないモブキャラの刑事を演じることになった際、目暮刑事役の茶風林さんからアドリブで名前を聞かれたときに「高木です」と名乗ったことがきっかけで生み出されたキャラクターだという。

 高木刑事のようにアニメオリジナルキャラでありながら、有名なキャラは意外と多い。今回はそんな原作に登場しない有名なアニオリキャラたちをご紹介していこう。

■いまでは作品になくてはならない存在に…『サザエさん』花沢さん・穴子さん

 国民的アニメ『サザエさん』には、サザエをはじめ個性豊かなキャラクターが多数登場する。

 なかでもカツオのクラスメイトで、彼に思いを寄せる少女・花沢さんはインパクトが強いキャラクターだ。ダミ声でカツオの世話をやく姿はまるで夫婦漫才のように描かれ、カツオにとって良くも悪くも(!?)欠かせない存在だろう。

 そんな花沢さんだが、実は原作には登場していない。背格好が似たキャラクターは登場するものの、「花沢さん」として登場したのはアニメが初だった。

 そして、サザエの夫・マスオの同僚「穴子さん」も、実はアニオリキャラだという。(花沢さんと同じく、背格好が似たキャラは登場している)

 穴子さんと言えば、マスオの職場でのシーンでは必ずと言っていいほど登場するレギュラー的な存在で、タラコ唇が印象的な人物だ。マスオの良き理解者で、奥さんの尻に敷かれており、お調子者だが実は高学歴……と、キャラもしっかり立っている。

 紹介した二人とも、いまや『サザエさん』には欠かせない主要メンバーであるため、事実を知って驚いてしまう人もいるだろう。

■登場シーンが印象的な憎めない敵キャラ!『ポケットモンスター』ムサシ・コジロウ

 1996年に任天堂から発売されたゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』が大ヒットとなり、1997年にテレビアニメ化された『ポケットモンスター』。

 放送当時から多くの子どもたちを夢中にさせてきた本作だが、実は作中に登場する敵キャラ・ムサシとコジロウはアニメのオリジナルキャラクターだ。

 両者は悪の組織「ロケット団」の構成員で、ことあるごとに主人公・サトシやピカチュウの前に立ちはだかるトラブルメーカーだ。「なんだかんだと聞かれたら〜」とはじまる口上は有名で、それを真似て“ロケット団ごっこ”をした経験がある人も多いだろう。

 そんな“愛され敵キャラ”のムサシとコジロウ。当時のアニメで脚本とシリーズ構成を担当していた吉川兆二さんが、かの有名な『タイムボカンシリーズ』の悪役トリオを基盤に生み出したと明かしている。

 敵キャラながら、バックグラウンドも丁寧に描かれたことでファンに愛されるキャラクターとなったムサシとコジロウ。レジェンドが生み出した名キャラクターは、これからも多くの子どもたちに愛されていくことだろう。

■強烈なインパクトでヒロインを守る!『うる星やつら』ラム親衛隊(メガネ・パーマ・チビ・カクガリ)

『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』など、数々の名作を生み出した高橋留美子さんの作品のなかでも人気が高い『うる星やつら』。1981年にテレビアニメ化を果たした本作は、1980年代を代表するアニメ作品の1つとして人気を博した。

 そしてアニメの放送終了から36年の月日を経て、2022年に完全新作アニメが制作され、今後、全4クールにもわたるシリーズの放送が予定されている。

 そんな本作に登場するアニオリキャラといえば、ヒロイン・ラムを守る“ラム親衛隊”の4人だ。メガネ、パーマ、チビ、カクガリという愛称で呼ばれる彼らは、もともとは諸星あたるの同級生として登場した。

 しかしラムという存在が突如現れたことで、この4人は“ライバル”のような存在へと変化していく。実は原作にも似た容姿のキャラは登場するものの、アニメのような強烈なインパクトはなく、アニオリキャラとして認識されているようだ。

 ラムへの愛が深すぎるあまり、あたる並みに“ぶっ飛んだ”行動が多いトラブルメーカーの彼ら。とくにメガネのラムへの執着はすさまじく、『ハイスクール!奇面組』の一堂零役や、『幽☆遊☆白書』の桑原和真役などで知られる声優・千葉繁さんがキャストをつとめたことでキャラクターがより引き立ち、作中で欠かせない存在へと成長していったようだ。

 

 原作には登場しないのに、アニメで見せた存在感から有名になったキャラたち。原作に登場するモブキャラをアニメで取り上げ、キャラクターを確立させたことで、いまや作品になくてはならない存在になっている例も少なくない。

 原作とはまた違ったエッセンスを加えてくれる“アニオリキャラ”たちに注目して作品を見てみると、彼らの存在の大きさに驚かされてしまう。