『怪物くん』稲森いずみに『鋼の錬金術師』松雪泰子も…漫画の実写化で“美しすぎるセクシー悪役キャラ”を演じた女優たちの画像
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 名作漫画を実写化する際、賛否両論が巻き起こる場合が多い。配役によって、原作のイメージが崩れるのを避けたい……というファンの気持ちも分からなくはない。しかし、そんな心配をよそに、原作ファンすら虜にしてしまった美人悪役キャラたちも多くいる。

 代表的なのは『ヤッターマン』でドロンジョを演じた深田恭子さんだろう。大胆でセクシーな衣装がハマっており、ドロンボー一味に入りたいと願った男性陣は筆者だけではないはずだ。

 今回は実写化された漫画作品において、美しすぎる悪役美女を演じた女優たちを紹介していこう。

■ドラマオリジナルキャラなのに強烈な存在感を放った『怪物くん』のデモリーナ:稲森いずみさん

 子どもの頃にアニメで楽しんだのが、藤子不二雄(のちの藤子不二雄A)さんの『怪物くん』だ。2010年に大野智さん主演でドラマ化された際、女優の稲森いずみさんが原作には登場しないオリジナルキャラのデモリーナというキャラを演じた。

 このデモリーナ、とにかく設定が悲しい。もともとは高杉よし江という100年前の時代の女性で、両親もおらず、弟と2人きりで過ごしてきた。知り合った実業家風の男性に裏切られて警察に捕まった挙げ句、病気の弟は周囲の誰の助けも受けられずに死んでしまう。すべてに絶望したよし江は自殺しようとしたところを悪魔ランドの王子・デモキンに助けられ、悪魔となって人間に復讐することに……。

 デモリーナの衣装は黒づくめで大人の色気を漂わせる妖艶さを出しており、人間だったころの優しい気持ちと裏切られた復讐心との葛藤が稲森さんの表情に現れており、グッときてしまう。ちょっとメデゥーサのような髪型も悪魔らしいといえるのだが、そこがまた色っぽさを醸し出している。

 ところで稲森さんといえば、筆者的にドラマ『ロングバケーション』に登場する“桃ちゃん”こと、小石川桃子の印象が強い。頭のなかにピンクの象を飼っている不思議なキャラだった。

『怪物くん』のデモリーナは完全に脇役なのだが、デモキンとの純愛もあるので強烈な存在感を放っていたものだ。

■これほどマッチする悪役美人も珍しい! 『鋼の錬金術師』のラスト:松雪泰子さん

 2017年に公開された実写映画『鋼の錬金術師』では、ホムンクルスの“色欲”、ラストに松雪泰子さんがキャスティングされたことを受けて驚いたものである。色気満載のキャラだが、原作での登場期間はそれほど長いものではなかったからだ。

 ただ、映像を見てみると「なるほど」と唸ってしまうくらいセクシーで、大胆な胸元も再現されており、キャラ設定通りまさに色欲に溺れること間違いなしだ。

 まあ、松雪さんになら踊らされてもいいと思う男性も多いと思うが……って、ラストのセリフの通り「何度くり返しても 学ぶ事を知らない 人間は愚かで悲しい生き物」なのだろう。いや、「くり返すな」と、嫁に怒られそうでもある……。

 ちなみに松雪さんは、ラストを演じるにあたって5キロほど体重を増やして臨んでいたことを当時のインタビューで明かしている。曽利文彦監督は「あの華奢な体から作り上げたというのは本当にすごい」と絶賛していた。

 心身ともに役づくりを行い、体当たりの演技を見せた松雪さん。素晴らしいの一言に尽きる。人間を見下した表情が、ラストの冷酷な性格を物語っていたものだ。

■着物の着こなしも原作のまま…『るろうに剣心』駒形由美(高橋メアリージュン)

 2012年、佐藤健さん主演で1作目となる実写化映画が公開された『るろうに剣心』。2014年には前後編2部作として『るろうに剣心 京都大火編』と『るろうに剣心 伝説の最期編』が公開されたが、両作品では主人公・緋村剣心の最大のライバルでもある志々雄真実が登場している。

 そして、志々雄の恋人・駒形由美には、モデルや女優として活躍をする高橋メアリージュンさんがキャスティングされた。

 原作版での駒形由美といえば、肩を出した着物の着こなしが魅惑的で口元のほくろが妙にセクシーな美女だ。映画版でも着物の着こなしを含め、キャラクターのビジュアルは原作に沿ったものとなっており、明治時代とは思えない華やかな衣装が花魁出身の由美の華麗さを演出していた。

 原作屈指の美女キャラの由美だが、実写での高橋さんもそれ以上に美し過ぎた。そんな由美に誠心誠意惚れられている志々雄……あんな美人にべったりされて羨ましい限りである。

 

 さて、ここで紹介した美人キャラたちは、悪役だからこそ余計に光るものがあったように思う。正義のヒロインももちろん可愛いが、原作の世界観を損なわない悪役キャラたちは妙にセクシーで、それぞれの実写化作品に大きな彩りを加えていたと言える。

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