人類の叡智によって生み出された近代兵器・“銃”。引き金を引くだけで弾丸を射出し、凄まじい威力で対象を破壊する武器だが、漫画やアニメ作品にもさまざまな特徴を持つ“銃”が登場する。今回は、まっすぐ弾が飛ぶとは限らない、トリッキーかつ強力な銃火器の数々について見ていこう。
■使いこなした者に与えられる真の“宇宙戦士”の称号…『銀河鉄道999』の「戦士の銃」
宇宙や銀河を舞台としたSF作品では、“銃”が主力な武器として登場することも少なくはない。1977年より『週刊少年キング』(少年画報社)で連載された松本零士さんの『銀河鉄道999』にも一風変わった銃が登場している。
本作にはたくさんの近未来兵器が登場するが、主人公・星野鉄郎の相棒として活躍することになるのが、作中で「戦士の銃」と呼ばれる一丁だ。
土星の衛星タイタンを訪れた際、とある老婆から鉄郎はこの銃を授けられるのだが、当初はその真の価値に気付いていなかった。だが、この銃は本作以降の松本さんの作品にもたびたび登場している非常に重要なアイテムなのである。
別名は「コスモドラグーン」といい、現実世界に存在する「コルトM1848ドラグーン」をモチーフとしていると思われる。いわゆるリボルバー式の銃で、実弾の代わりにエネルギー弾を射出して対象を撃ち抜くのだ。
宇宙最高の威力を誇るとされており、作品ごとに差はあるものの、人間が扱えるサイズの兵器でありながら、凄まじい功績を数多く残している。
とくに劇場版第2作では、工場施設をこの一丁のみで滅茶苦茶に破壊してしまうなど、小口径でありながらもその威力は“大砲”並みと言えるだろう。
一方でしっかりとデメリットも存在し、やはり発射の際の反動が大きく、普通の人間では発射のたびにのけ反ったり転んでしまうことも多い。
扱いこそ難しいものの、きちんと使いこなせば“銃”という見た目を超越した、凄まじい威力で敵を蹴散らすことができる。まさしく使う者が真の宇宙戦士かどうか……を試される、ロマン溢れる一丁である。
■攻撃方法はまさかの“圧殺”!? 『GANTZ』の「Zガン」
SF作品は現代の社会を舞台にしたものも多く、2000年に『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載された奥浩哉さんの『GANTZ』にも、数々の近未来兵器が登場する。
登場人物たちは支給された数々の兵器を駆使し、立ちはだかる“異星人”たちを相手にしていくのだが、与えられる武器はどれもこれもオーバーテクノロジーな代物ばかり。
対象を時間差で爆破破壊する「Xガン」や、抜群の切れ味に加え伸縮する刀身を持つ「ガンツソード」など数々の兵器が登場するなかで、とくに凄まじい威力を誇る銃こそ、高得点獲得者へのボーナスとして与えられる「Zガン」である。
連なった二つの銃身を持つ巨大な銃で、今までの兵器同様に“ロックオン”と“発射”のための二つのトリガーを持っている。
見た目こそ銃のそれだが、実際は弾丸を発射し相手を射抜くための兵器ではない。トリガーを引くことでターゲットの頭上に円形の“高圧エネルギー”を発生させ、対象を真下へ押しつぶすことができるのだ。その威力は圧倒的で、対象はもちろん、その真下の地面を深々とえぐってしまうほどの凄まじい圧を生み出す。
雑魚敵はもちろんのこと、通常の兵器で傷一つつけることができない強敵を相手にも、有効打を決めることができる、まさに奥の手とも呼べる一丁である。
獲得するためには数々の死地を乗り越え100点を獲得する必要があるものの、それだけの代償を払うに値する、起死回生の一手となり得る武器だろう。