『鬼滅の刃』の白髪&黒髪『鬼灯の冷徹』座敷童子『xxxHOLiC』でも…「ニコイチ」で行動する“不気味カワイイ”子供キャラが与える演出効果とはの画像
『鬼滅の刃』第1巻(完全生産限定版) [DVD](アニプレックス)

 漫画やアニメでは、ときおり全く同じ見た目と仕草の、2人1組“ニコイチ”で行動する子どもキャラクターが登場する。

 たとえば『鬼滅の刃』で、竈門炭治郎らが受けた鬼殺隊への入隊試験である「最終選別」のシーンに初登場したおかっぱ姿の2人がそうだ。

 神社の狛犬のように左右に並ぶ姿や、なぜかこうしたキャラは無口であることが多いことから、対となった姿が不気味な印象を与える。彼らは作品を印象づけるミステリアスなポジションのキャラだといっていいだろう。

『鬼滅の刃』の2人は、一年中藤の花が咲いている山で最終選別を取り仕切る役割。黒髪と白髪の着物姿でどこか人間離れして見え、一見するとまるで座敷童子のようだった。

 炭治郎らが直面する過酷な状況にも顔色一つ変えずに淡々と説明する様子からは、幼いながらただものでないことがうかがえる。特に白髪の子は、選別後に不死川玄弥から髪の毛を掴まれ目の前で怒号を浴びせられたが、声も上げず表情も変えない姿に怖ささえ感じた。

 後に彼らが作中における重要キャラであることが明かされるのだが、この段階ではとにかく謎の多い存在だった。彼らの正体に関しては、アニメの制作が発表された新シリーズ『柱稽古編』以降で明かされるが、どのように描かれるか楽しみなポイントだ。

■市松人形の風貌をした妖怪の双子

 このように、作品に華を添える存在である「不気味かわいい」ニコイチのキャラクターは少なくない。

『鬼滅の刃』の2人に似た見た目を持つのが、江口夏実氏による『鬼灯の冷徹』に登場する座敷童子の一子と二子。それぞれ黒髪と白髪のおかっぱ姿の、市松人形の風貌をした妖怪の双子で、顔立ちはかわいらしいがいつも無表情で、その姿からは不気味さが漂っている。

 同作は地獄を舞台に、閻魔大王第一補佐官の主人公・鬼灯ら、獄卒たちの日常を描いたコメディ作品。有名な世界中の妖怪たちもコミカルに登場する。

 一子と二子も、現世から地獄に来た当初は無表情で怖いキャラだったが、次第に個性が芽生え、多彩な表情も見せるようになってきた。どんどんかわいく見えてくるニコイチキャラだ。

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