『推しの子』愛久愛海(アクアマリン)に『クレヨンしんちゃん』まつざか先生も! 名前にコンプレックス…自分の名前に悩むキャラたちの画像
アクションコミックス『クレヨンしんちゃん まつざか先生編』(双葉社)
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 2023年4月よりTOKYO MXほかにてアニメが放送中の、赤坂アカ氏、横槍メンゴ氏による漫画『【推しの子】』。

 同作は田舎の産婦人科医・雨宮吾郎のもとに彼の「推し」である16歳のアイドル・星野アイが妊婦として現れるところから物語が始まる。しかし吾郎はアイの出産間近のタイミングでアイのストーカーによって殺害される。

 その後、ゴローはアイの息子の星野愛久愛海(アクアマリン)として転生していた。前世の記憶を持ったまま推しの子どもとして生まれ変わったアクアが、同じく双子の妹である星野瑠美衣(ルビー)とともに芸能界に入るというストーリーだ。

 主人公のアクアは推しに名づけられたことになるとはいえ、愛久愛海(アクアマリン)という自分の名前にコンプレックスを抱いており、普段はアクアと名乗っている。自分の名前に関して「すげぇ名前つけられた」と評しており、妹の瑠美衣に関しては「(自分に比べて)ややダメージの少ない名前」「今からでも変えてほしい」というモノローグが語られた。

■周囲に違う呼び方をさせるキャラも

 漫画やアニメでは奇抜な名前のキャラは数多いが、アクアのほかにも自分の名前に悩んでいたキャラは多い。

 松井優征氏の漫画『暗殺教室』の木村正義もまたそうだろう。漢字だと普通に感じるが、読み仮名は正義と書いて「ジャスティス」だ。

『暗殺教室』は、進学校の椚ヶ丘中学校で落ちこぼればかりが集められた3年E組の生徒たちが、担任の超生物「殺せんせー」を暗殺しようとする中で成長していく物語。

 それぞれの生徒にはメイン回があり、木村正義の回である第89話「名前の時間」では、自身の名前のコンプレックスを語るシーンがあった。木村はE組で一番の俊足の持ち主だが、見た目は「ジャスティス」のイメージとは程遠いごく普通の少年。これまで周囲には「まさよし」と呼ぶように頼んでいた。

 名づけの理由は、両親がともに警察官で、子どもの誕生の際にテンションが上がってつけたということだ。この名前はクラスメイトからからかわれてしまい、父親に文句を言うと逆に怒られてしまったらしい。

 病院嫌いという設定もある木村だが、その理由も受付で本当の名前で呼ばれてしまうことから。

 この回の最後では、殺せんせーが、改名手続きは難しくないということをアドバイスし「大事なのは名前ではなく、その名前で何をしたか」が大切だと語った。以降、木村もそこまで名前にコンプレックスを抱かなくなったようだ。

 続いては高校吹奏楽部を舞台にした『響け! ユーフォニアム』の川島緑輝(サファイア)。コントラバス担当で​​、小柄でふわふわとした見た目の彼女だが、彼女もまた本名で呼ばれることを嫌がっており、周囲には自身のことを「みどり」と呼んでもらっていた。

 短編集1巻では彼女の名づけの理由が明かされており、両親は「ほかの子とは違う、特別な子に育ってほしかった」という願いがあったらしい。親の願いと実際にその名前で生活する子どもの思いは、往々にしてアンバランスなものなのかもしれない。

 椎名軽穂氏による『君に届け』のメインキャラクターの1人である胡桃沢梅(くるみざわうめ)も自分の名前が気にいっていない。男子にモテる美少女の彼女だが、祖母がつけた古風な名前を嫌っており、周囲には「くるみ」と呼ばせている。

 下の名前で呼んだ人のことは「梅って呼んだ奴ノート」に名前を書くという執念の強さ。そこまでするということは、相当な思いがあるのだろう。

 ちなみに『クレヨンしんちゃん』のまつざか先生も、同じ「梅」という名前。子どもの頃に「梅干し」と馬鹿にされたことが原因で今でも名前で呼ばれる事を嫌がっている。まつざか先生は3姉妹で、長女は松、次女は竹という名前で、松竹梅とおめでたい名前になっている。

 親は子どもの幸せを願って名前をつけるもの。しかし本人にとってはそれが必ずしも嬉しいものとは限らない。

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