2023年4月14日から劇場公開される『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(原作:青山剛昌氏)。本作ではコナンたちと“黒の組織”の全面対決が描かれるとあって、早くもファンから注目を集めている。
さて、黒の組織といえば本作における最大の敵で、危険な大規模犯罪組織として知られている。実際に作中でも多くの悲劇の元凶となっており、恐ろしい存在であることはたしか……なのだが、よくよく振り返ってみれば「それでいいのか?」というポカをやらかす場面も少なくない。そこで今回は作中で組織のメンバーがやらかした数々のミスを振り返る。ツッコミどころ満載の愛すべきポンコツっぷりにも、ぜひ注目していただきたい。
■無防備すぎるウォッカとキャンティ
黒の組織のポンコツエピソードといえばジンがとくに有名だが、彼以外のメンバーもなかなかのものである。メインはあとに取っておくとして、まずはジンの弟分的存在・ウォッカの動きについて振り返ってみよう。
ガタイの良さや真っ黒なスーツと帽子にサングラスという格好が印象的なウォッカは、“いかにも”な雰囲気を漂わせている一方で、どこか間の抜けた言動を見せることが多い。「~ですぜ」「~ですかい?」といった特徴的な話し方や、メンバー同士のあいだを取り持つ中間管理職的な立ち位置から、どことなく親しみやすいキャラでもある。
そんなウォッカの初登場は、第1巻の「ジェットコースター殺人事件」。取引場所の下見のため、なぜかジンとともに(あの目立つ格好で)ジェットコースターに乗るという謎行動をとっており、そのうえ子どもを蹴飛ばして割り込むなど小物感まで醸し出していた。
事件が起きて警察がやってきたとき、ジンとともにアワアワしている姿も見ものである。さらにその後、怪しい取引現場を新一に目撃されたうえ、ジンが出てくるまでそのことにいっさい気付けないというダメっぷり……。
しかし、一番のやらかしといえば、なんといっても第37巻〜38巻の「黒の組織との接触」で、コナンの罠にまんまと引っかかり、人物の特定につながる指紋や唾液をとられかけたことだろう。彼はこのとき、不審な点だらけの状況にもまったく疑問を抱いておらず、その無防備さには逆に心配になってしまった。大丈夫か? 裏社会で元気にやっていけてるのか……?
無防備つながりでいえば、同じく幹部でスナイパーであるキャンティの失敗も忘れてはならない。彼女は優れた狙撃技術を誇る一方、待ち時間が長くなるとイライラしがちで、目立たずにじっと待つということが苦手だ。要するにスナイパーとして致命的な弱点を持っているわけだが、そんな彼女は第67巻の「赤く揺れる照準」で相当にやばいやらかしをしてしまっている。
このエピソードでキャンティは組織の裏切り者・赤井秀一を消すための計画に参加し、彼が百貨店から出てくるところを向かいのホテルの一室から狙うことに。
しかし彼女はその途中、相手の姿を見失ってしまい、焦って窓から身を乗り出し――その結果なんと、通行人にライフルを構えている姿を目撃されるという大失態をおかしていた。
ライフルに気付いたにしては、通行人の反応が薄めなのもツボである。あまりにも非日常的なものを目にすると逆にあんな感じの反応になるのか、それともこの世界の住人が特殊な訓練を受けているのか。