写真左から、梶 裕貴、原恵一監督、吉野耕平監督、辻村深月
写真左から、梶 裕貴、原恵一監督、吉野耕平監督、辻村深月

 2023年3月27日(月)に『かがみの孤城』×『ハケンアニメ!』コラボトークイベントが実施され、『かがみの孤城』原恵一監督、『ハケンアニメ!』吉野耕平監督、両作品に出演した梶裕貴、そして両作品の原作者・辻村深月が登壇。そのイベントの様子を伝える公式レポートが到着しました。

■合計300分超えのスペシャルイベント

《イベント概要》
■日時:3月27日(月)20:05~21:00
■場所:新宿ピカデリー スクリーン1
■登壇者:原恵一監督『かがみの孤城』/吉野耕平監督『ハケンアニメ!』/梶 裕貴/辻村深月(原作)

 3月27日(月)に直木賞作家・辻村深月による原作の映画『かがみの孤城』、映画『ハケンアニメ!』両作品の連続上映に加えて、豪華4名を招いてのコラボトークイベントを実施いたしました!

 登壇者は、『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』などを手掛け、泣けるアニメーションの名手と呼び声高い『かがみの孤城』原恵一監督と、次の時代を担う映像クリエイター選出プロジェクト「映像作家100人2019」にも選ばれ、劇場長編監督デビュー作『水曜日が消えた』に続く2作目となった『ハケンアニメ!』吉野耕平監督。また、両作品の原作者である辻村深月先生、そして『かがみの孤城』では恋愛気質で惚れっぽくマイペースな中学生・ウレシノ役を演じ、『ハケンアニメ!』では劇中アニメの声優に加えて実写パートにも出演した梶裕貴さん。

 会場の温かな拍手に迎えられながら、4名が登壇。まず初めに、『かがみの孤城』より原監督から「皆さんこの後、『かがみの孤城』の上映があるんで、どのタイミングでトイレに行くのかと。大丈夫ですか? 今行っても大丈夫ですよ。その間面白いこと言っておくので。冗談です(笑)今日はよろしくお願いします」と笑いを交えながら挨拶。続いて、『ハケンアニメ!』より吉野監督が「『ハケンアニメ!』ご覧いただきありがとうございます。ご覧いただいた王子監督(中村倫也)が結婚発表されたということで、プロポーズが実際どうだったか分からないですが(笑)今日は昔から作品を観させていただいている方々ばかりで緊張していますが、よろしくお願いします」と一緒に登壇できることの嬉しさを伝えました。

 そして両作品に出演された梶さんは「『かがみの孤城』ではウレシノの声を、『ハケンアニメ!』ではリュウイチの中の人の役として出演させていただきました梶裕貴です。本日は平日で300分も超える時間という中で、お越しくださった猛者の皆さん、ライブビューイングをご覧の皆さん、本当にお越しくださいましてありがとうございます。なかなかこんな貴重な機会はないので、ここに参加させていただけて光栄です。短い時間ですが、どうぞよろしくお願いいたします」、両作品の生みの親、辻村先生は「お越しくださってありがとうございます。今回この場があることが、すごく嬉しいです。私繋がりじゃん!という感じがして(笑)上映時間も含めて300分を超えるという、そこに皆さんが来てくださって本当に皆さんはオオカミさまが言うような“選ばれし者”だと思っています。今日は短い時間ですがよろしくお願いします」と会場やライブビューイングにお越しいただいたお客さんに感謝の気持ちを伝えました。

■アニメ業界は目指す価値がある仕事

 最初に原監督へ『ハケンアニメ!』を観た感想を伺うと「『かがみの孤城』制作中に『ハケンアニメ!』のコメントを出させていただくために先に観させていただいたんですが、今日来る前もおさらいで観てきました。アニメ業界に入って40年なんですが、楽しい思い出ばかりじゃない、辛い思い出も多かったりするんだなと思いを馳せるような内容だったので、皆さんのように楽しく観れたわけじゃないんですよね(笑)。劇中で王子監督が言うように『人の心を動かす仕事なんだ』と、大変なのは当たり前だと思うようにしています。また、吉岡里帆さんのセリフで『刺され!』ってあるんです。その刺さったものを感じられた瞬間に辛い思い出も吹き飛ぶような仕事、目指す価値がある仕事だなと思いました」と自身の過去と重ねながら作品への感想を語りました。辻村先生はその言葉を聞き「私自身、原さんの作ったアニメを見てきたんですよね。子供向けに遠慮した演出をせずに、ストレートに表現してくださったことが私に刺さってて、今、原さんと大人同士で仕事ができていることがすごく嬉しいです」と喜びを語りました。

 続いて、数々の作品に出演されてきた梶さんに作品の繋がりを聞くと、「僕も原監督の作品を子供の頃から見させていただいて、10~20代を過ごしてその中で声優になって、作品作りの一員となって皆さんにお届けする役割を任せていただけるというのは夢のようだなと思いますし、自分が思った感動や衝撃を皆さんに感じていただいて、僕からさらに繋がっていけたらいいなと思いました」と仕事に対する気持ちも込めて話しました。

 そして、吉野監督が『かがみの孤城』を観た感想は、「原作を先に読ませていただいて、これをどう映像化するのだろうと、最後に繋がっていく伏線がすごく難しいなと思っていて、アニメは抽象化したり具体化したり緻密に表現できるので、そこをどう表現するのだろうと思いながら見た時に、原作のデリケートで複雑な部分を見事に表現されていて、こういうことか!という解答をいただいた気持ちでした」と熱く感想を語りました。

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