『SLAM DUNK』桜木や流川の心を読み取る“宮城リョータ”の秀逸な観察眼…“問題児”の扱いも一級品!の画像
『SLAM DUNK』Blu-ray Collection VOL.4(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))

 12月15日、公開中の新作映画『THE FIRST SLAM DUNK』の特別本『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』が発売となった。そのなかには、『SLAM DUNK』単行本では未収録の読切漫画であり、映画の部分的下敷きとなった宮城リョータの物語『ピアス』が収録されているというから、ファンにとっては嬉しい限りだ。

 そんな宮城は湘北高校のポイントガードであり、コート上での司令塔のような役割を担っている。作中でもチームメイトの様子を観察している場面が見られるが、とくに1年生の桜木花道や流川楓に対しては、先輩の立場からもうまくフォローやサポートを入れている。

 そこで今回は、桜木や流川に対して宮城の観察眼が光る秀逸な言動を紹介する。

■おだてるのもポイントガードの役目?

 問題児・桜木の扱いに関して、宮城の腕前は湘北一だろう。県内一の高さを誇る翔陽高校との試合後半、桜木はリバウンドに集中しなければならない局面にもかかわらず、流川より点を取ることに気をとられていた。

 そんな桜木の状態に気づいた宮城は、「お前のリバウンドはこの試合で一躍 県内トップクラスだぜ」と声かけをする。この“県内トップクラス”という言葉が響き、桜木はリバウンドに燃える。桜木の心中を察したうえで、おだてられるとやる気を出す性格をうまく利用していた秀逸な一言だ。

 また山王工業高校との試合では、桜木をおだてると同時に、相手のスーパーエース沢北栄治に揺さぶりをかける場面も。

 試合の最終局面、沢北が流川だけでなく桜木の動きも意識している様子を悟った宮城は、桜木に「花道!ディフェンス1031だ‼」と言う。すぐに“1031=天才”と気づいて燃える桜木に対し、なんらかの作戦だと思い警戒した沢北は集中を乱される。

 意外と素直で真に受けやすい沢北の性格を読み、たった一言で味方を鼓舞しつつ敵をかく乱する宮城。観察眼もさることながら、言葉のセンスも抜群に良い。

■慰めつつもその後のやる気につなげる

 おだてるだけでなく、傷ついたときのフォローも宮城はとても上手だ。

 陵南高校との地区大会最終戦では、マッチアップした福田吉兆にボロボロにやられ、ザル扱いまでされて自信を失っていた桜木。しかしがむしゃらにプレイするうちに、図らずも陵南キャプテン魚住純の4つ目のファウルを誘い、湘北苦戦の一因となっていた魚住をいったんベンチに下げることに成功する。

 ここで宮城が桜木にかけた「ファインプレイだぜ花道!」の言葉が、桜木の耳にスルリと入っていき……喪失していた自信はいとも簡単に復活。「県内トップクラス」「ファインプレイ」など、桜木に響きやすい言葉をチョイスしているあたりもさすがだ。

 また、その後インターハイ前の練習で、桜木が流川に1on1の勝負を挑んだことがあった。このとき宮城と3年生の三井寿は人払いをして体育館に桜木・流川を二人きりにし、自分たちは外で待つ。桜木が流川に負けることを見越したうえで、プライドの高い桜木は人前で負ける姿を見られたくないだろう、という配慮からだ。

 勝負が終わり、やはり負けて放心状態になっていた桜木を慰める宮城と三井。そのとき宮城がかけた言葉は、「ま 流川との勝負はひとまず おいとけ」「今 お前の倒すべき相手はほかにいる」「全国の強豪どもだよ」というもの。

 翔陽戦のときもそうだったが、すぐ流川につっかかって目先のことが見えなくなる桜木をうまくいなし、意識の矛先を対戦相手へ向けさせている。桜木の性格を熟知し、そのときどきの気持ちを正確に汲んでいるからこそ成せる業だろう。

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