『ジャングルの王者ターちゃん♡』に『ドラゴンボール』 尻に敷きながらも夫を支える“愛すべき妻たち”3選の画像
『ジャングルの王者ターちゃん』DVD-BOX デジタルリマスター版 BOX2【想い出のアニメライブラリー 第34集】(TCエンタテインメント)

 いつの時代も「妻」というのは尊い存在で強いもの。これは漫画にもいえることだろう。尻に敷かれている主人公キャラたちもどこか満足気に見える。

 尻に敷きながらも、ときに厳しく、それでいて夫のことを優しく見守っている……そんな漫画に出てくる「愛すべき妻たち」を紹介していこう。

■「ちゅうちゅうたこかいな!」恐妻家ターちゃんを陰で支える『ジャングルの王者ターちゃん♡』のヂェーン

週刊少年ジャンプ』(集英社)史上でもっとも怖い妻といえば、1988年から連載が始まった徳弘正也氏の『ジャングルの王者ターちゃん♡』に登場するヂェーンではないだろうか。

 もとはトップモデルとして活躍していたが、撮影先のアフリカで主人公・ターちゃんに恋をして17歳で結婚。その後、凄まじいまでの激太りをし、ターちゃんにもしばしばカバやブタと間違えられていた。

 掃除や洗濯といった家事はもっぱらターちゃんの仕事で、ヂェーンはほとんど読書にふけっている。ギャグ漫画だけに、容姿をネタにされると人差し指を上げて「とことん」突っ込むのがお約束だった。

 そんなヂェーンはお金に厳しく、ガイド料などはきっちりもらわないと気が済まない。お札を数えるときの「ちゅうちゅうたこかいな」は、ヂェーンのたくましさを物語っている。(働くのはターちゃんなのだが……)

 地上最強のターちゃんよりも強いイメージであり、守銭奴で独占欲も強く、ターちゃんがほかの美人とイイ雰囲気になると必ず登場したものだ。ターちゃんが内緒にしていても、第6感ならぬ第13感で相手のスリーサイズまで見破る恐ろしさ。

 ただ、そんなヂェーンにも秘密がある。ターちゃんが数々のトーナメントやガイドで得た賞金や報酬はすべて彼女が管理し、ジャングルを守るターちゃんの負担を少しでも減らそうと、なんと野生動物の保護のためなどに私設レンジャー隊を創設していた。

 自分はボロボロの服を着ながらも、レンジャー隊の給料支給日には笑顔で労をねぎらう。一見、守銭奴に見えるヂェーンだが、実は自分のためにお金を使わず、すべてターちゃんや動物たちの命を守るためにお金を貯めていた良妻だったのだ。

 陰で見ていたターちゃんもその事実を知って素敵なプレゼントを贈っていたな。いい夫婦だ。

■最愛の息子のために宇宙最強の夫に立ち向かう教育ママ『ドラゴンボール』の「チチ」

 次に紹介するのは、鳥山明氏の『ドラゴンボール』(集英社)に登場する牛魔王の娘「チチ」だ。チチと夫・孫悟空との間には、息子の孫悟飯が誕生する。しかし、ラディッツが襲来した際、悟空は死んでしまい、悟飯はわずか4歳でピッコロに連れ去られてしまうのだ。

 ドラゴンボールで生き返るとはいえ、これはかなりつらい展開ではないだろうか。父親の牛魔王や亀仙人がフォローしているだろうが、1年間もの間、チチは基本的に一人で過ごしているはずだ。しかも、ベジータ戦の後にやっと出会えたかと思ったら愛息は瀕死の状態。さすがに巻き込んだ夫を恨むのは致し方ない。(って、悟空もそれ以上に瀕死だったが……)

 そして、そこからは教育ママ全開のチチ。悟空や悟飯が何と言おうとほとんど反対の立場を取り、大きな口を開けて言い返す。悟飯は一度だけ反抗するもほぼ言い返せない状態で、悟空に至ってはお金を稼いでいないため、反論できない。ブルマ以上に気の強さを見せるチチだけに、一緒にいる時間が短くても尻に敷かれているのだろう。

 しかし、チチの言いぶんも母親の立場からすれば妥当なのかもしれない。世界が滅ぼされようとも、自分の息子の将来を心配するのは母親として当たり前だろう。そんなチチも人造人間編では悟空に冗談で軽くツッコミを喰らって吹っ飛ばされ、大ケガを負っている(よくみると腕が折れているような……)。「もういいだ…なくのはいつだって女なんだ…」と、諦めモードになるチチが気の毒になってしまった。

 ただ、セル戦のあとに悟空が帰ってこないと分かると涙を流して落ち込み、魔人ブウ編で数年ぶりに帰ってくることが分かると、エステに行ってないことを気にするくらい楽しみにしていた。やはりチチも悟空のことがずっと大好きなのだろう。

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