「北斗百裂拳」「かめはめ波」学校で“禁止令”のワケは…少年時代に真似をしたバトル漫画の必殺技とハプニングの画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳【究極版】』1巻(徳間書店)

 少年時代に胸を熱くしたバトル漫画。1980〜90年代の黄金期『週刊少年ジャンプ』の人気バトル漫画には「カッコいい必殺技」が必ず存在し、子どもたちは休み時間にこぞってその技の真似をしたものだ。あまりにエキサイトしすぎて、思わぬ“事故”が起こってしまうこともしばしば。

 今回はそんなバトル漫画から、筆者がよく真似をした必殺技と、それが引き金となって起こってしまった予想外のハプニングを紹介していきたい。

■「北斗百裂拳」がきっかけで友達とガチ喧嘩

 1980年代を代表する人気バトル漫画『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫)で主人公・ケンシロウが繰り出す代表的な北斗神拳の技の一つが「北斗百裂拳」だ。「あーたたたたたたたたたたたた!!!!!」という咆哮とともに高速で無数の拳を繰り出すと、それに合わせて敵の顔や体がベコベコになっていく姿に、当時の少年たちは胸を熱くしたものである。

 当然自分でもやってみたくなり、休み時間の教室には北斗百裂拳を繰り出そうとする“自称ケンシロウ”が続出。悪役を演じる友達に「あーたたたたたたたたたたたた!!!!!」と高速パンチを寸止めで繰り出していたところ、手元が狂ってクリーンヒットしてしまい、そのままガチのケンカに発展することも多々あった。

 また、狭い場所で百裂拳ごっこをしていて、次の突きを繰り出すために勢い良くヒジを引いた結果、後ろを歩いていた女子のみぞおちに入ってしまい、その女子は大号泣。学校側から「北斗百裂拳禁止令」が出ることもあった。

 ちなみにアニメ版『北斗の拳』でケンシロウ役を担当した声優・神谷明さんは、北斗百裂拳のシーンが毎回しんどいので「あーたたたたたたたたたたたた!!!!!」と言ったあとに「ほぉあたー!!」と言うところをアドリブで「終ぉおわたー!!」と言っていたらしい。

■顔面強打続出で「パロ・スペシャル」禁止令

「パロ・スペシャル」は、ゆでたまご氏の人気漫画『キン肉マン』で“ロボ超人”ウォーズマンが使う必殺技だ。相手の背後におんぶの要領で飛び乗り、両膝に自分の足を絡めてホールド。さらに相手の両腕を後ろにまわし、そのまま上に締め上げる関節技である。

 ポーズ的にはアメリカンバイクに乗ってるような感じになり、ウォーズマンは最終的に相手の両腕を折ってしまうという残虐な技でもある。超人オリンピック決勝戦でウォーズマンがキン肉マンにこの技をかけたことから、少年たちがこぞって真似するようになった。

 難点としては、技を受ける側が、後ろから乗っかってくる相手の体重を絶妙なバランスで支えられないと美しいポーズにならないため、必然的に大柄な子の上に華奢な子が乗って技をかけることが多かった。

 また、技をかけられた側は両手が使えないため、前方につんのめってそのまま顔面を床に強打し、やはりリアルファイトに発展することもあった。その後、前述の「北斗百裂拳」と同様に「パロ・スペシャル禁止令」が学校側より発令され、重力の制約が少ないプールの授業の休み時間にこっそりと「パロ・スペシャル」ごっこをやるにとどまった。

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