■コナンに「なーにが新開発だ」とツッコミを受けるアイテムも

 まずは「弁当型携帯FAX」。これはコミックス7・8巻収録の「プロサッカー選手脅迫事件」で初登場したもので、弁当箱とファックスが一体化したもの。白米の上に置かれている梅干しが起動ボタンとなっているが、その他のおかずは本物という仕様。

 これなら、誰かに見られてもファックスだと気づかれることなく相手とやりとりができる。しかし、コナンは「なーにが新開発だ、弁当箱に市販のFAXを取りつけただけじゃねーか」と一蹴。しかも今となってはわざわざファックスを持ち歩く必要はないので、あえなく再登場は望めない品となってしまった。

 しかしスピンオフ作品『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』では、活躍はなかったもののこの弁当型携帯FAXが再登場。時代に合わせ、3巻では弁当型スマホなるものも登場した。

 また「イヤリング型携帯電話」も姿を消してしまったアイテムだ。コミックス14・15巻の「スキーロッジ殺人事件」で初登場した、イヤリングに有線イヤホンとキーパッドがついたもので相手と連絡を取ることができるこの発明品。作中ではコナン以外にも毛利蘭や灰原哀などが使用した。

 アニメや漫画に登場する頻度も高かったので、知っている人も多いだろう一品だが、携帯電話の普及により次第に登場することはなくなってしまった。コナンの手のひらにもすっぽりおさまる、当時の携帯電話としてはかなり小さいサイズだったが、イヤリングとしては不自然なほど大きすぎた?

 最後は「ノート型電子マップ」。一見すると普通の算数のノートだが、中を開くと電子マップになっている。

 こちらは原作コミックスではなく、特別編第1巻で1度だけ登場したアイテムだ。薄型であるところや、現在地からの距離が割り出せる機能や地図の拡大機能などもついており、現在でいうところのタブレットの地図アプリに近い発明品だろう。当時はもちろんそのようなものは存在しない時代。阿笠博士は未来を予測していたのかも?

 こうして見てみると、今ではスマートフォンひとつあれば簡単にできることばかり。技術の発展のスゴさを身をもって実感することとなった。

 また当時の殺人トリックも、現在の技術と比べるとかなりチープになっていたり、もっと効率の良い方法があるとついついツッコミたくなるものも少なくないだろう。しかしそれはそれで、懐かしさを感じるある意味では味のあるものだ。『コナン』を読み返すと、私たちの周りで日々発展していくデジタルの技術力の高さに感動してしまう。

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