2022年9月1日よりNetfilxでアニメ2期の配信が開始された『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』。2021年12月よりNetfilxで先行配信、2022年1月よりTOKYO MX系で放送されていたアニメ1期から待ち続けたファンの期待通り、今回も魅力的な声優陣の演技や、カラフルで美麗な作画で我々を唯一無二の世界観に引き込んでいる。
1986年から連載開始された荒木飛呂彦氏による漫画『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズが初めてアニメになったのは2012年のこと。第1部の連載開始から実に26年越しのアニメ化となり、2022年でアニメ10周年を迎える。それを記念して、2022年夏から東京会場を皮切りに全国各地で『ジョジョの奇妙な冒険 アニメ10周年記念展』が開催されている中、あらためて『ジョジョ』アニメのすごかったポイントを振り返りたい。
■細かい部分まで作り込まれた『ジョジョ』アニメ
まずは『ジョジョ』の世界観の要ともいえる、特殊な擬音のアニメ化。原作本編では「メメタァ」「パパウパウパウフヒィーン」「グッパオン」など、日常生活の中ではまず聞かないような特徴的な擬音が多用されているが、それをアニメでも荒木氏の書き文字をそのままアニメ絵に乗せるかたちで表現している。
特に筆者が感動したのが、第1部「ファントムブラッド」でディオがエリナにキスをしたときの「ズギュウウウン」という擬音。アニメではこれをギターをかき鳴らすような金属音で表現していた。『ジョジョ』の中でも特に有名で多くのファンが注目していたシーンだと思われるが、なるほどと納得するしかない効果音だった。キャラクターやスタンド名を往年の洋楽から引用することでも有名な荒木氏の音楽好きの一面がうまく表現されていた名演出だと言えるのではないだろうか。
原作漫画から熱狂的なファンを持つ『ジョジョ』の待望のアニメ化だけあり、ファンの期待を裏切らない演出の数々が作品の完成度を高めている。
第3部「スターダストクルセイダース」で、敵であるラバーソールが花京院典明になりかわった際に、舌の上で執拗にチェリーを転がすシーンがあるが、アニメでは原作漫画に書き込まれていたのと同じ回数での「レロレロ」が再現されていた。
声優の平川大輔が演じたレロレロの回数は原作通りの17回で、アニメの台本にもちゃんと(17回)と回数が指定されていた。『ジョジョの奇妙な冒険 アニメ10周年記念展』では、このときの実際の台本が展示され、記念写真を撮るファンがあふれていた。
また同様に承太郎とスタープラチナの代名詞である、敵に向かって高速で拳を放つ通称「オラオララッシュ」やDIOの「無駄無駄ラッシュ」の再現度もバツグン。
原作漫画で、承太郎を散々コケにした「鋼入りのダン」を倒した際には3ページの間ずっと拳を打ちつけており、アニメでも66回「オラ」と言っている。しかもそのうちの一回は原作通り「オラオ!」と言うこだわりよう。どこまでも原作通りに完全再現しようというアニメの姿勢がファンに受け入れられた理由のひとつだろう。