■ゲームバトルが面白すぎた「アトゥム神」

 続いてはDIOの館に住む執事であるテレンス・T・ダービーの使う「アトゥム神」。彼は先に登場したダニエル・J・ダービーの弟で、彼ら2人の能力も「勝負に負けた相手の魂を奪う」とかなり似ている。しかし弟が兄の能力より優れている点は、相手に質問すると「YES」と「NO」の2択で心を読むことができるというところだ。

 彼の前ではどんな嘘をついても意味がない。2択とはいえ、相手の心が読めるのはズルすぎる。彼に関しては、承太郎に敗北した際の「もしかしてオラオラですかーッ!?」という作中屈指の名セリフや、11話分というコミックス1巻以上分を使ったスーファミ風のテレビゲームを使用した展開の面白さもあり、心が読めるということがいかにチート級の能力かを想像する間もなかったのが非常に残念。

 ただしダービー弟は性格的に、ピンチになると冷静さを失う性質のため、そもそも自身の能力を生かした相手との駆け引きに向いていなかったようだ。

■ラスボス前に幻を見せた「ティナー・サックス」

 最後はケニー・Gの「ティナー・サックス」。名前だけ聞いても誰だか思い出せないという人も少なくないのではないだろうか。何しろ彼のセリフは他のキャラクターに比べると圧倒的に少なく、大した見せ場もなかったからだ。

 ケニー・GはDIOの館を守っている番人で、彼の使うティナー・サックスは相手に幻影を見せるスタンド。その幻影は五感すべてに訴えかけることもできる。

 作中ではDIOの館に巨大迷路を張り巡らせ、廊下が無限に続くように感じさせたり、地下に海を見せることで承太郎たちを惑わせた。また、彼の能力がジョースター一行を二手に分かれさせたことは、結果的に、のちの展開で重要な転換点となった。

 作中ではその能力はアヴドゥルやイギーに簡単に見破られ即退場となってしまったが、もしその能力が現代社会にあれば、実際に行かずして海外旅行の気分を味わえるなど汎用性が高く、さまざまなビジネスに応用できそうだ。

 ちなみに『ジョジョ』の第4部の前日を描いた公式スピンオフ作品『クレイジー・Dの悪霊的失恋』では、彼は同じくスタンド使いの生き残りとなったマライアと結婚していたことが明かされた。二人は宿を経営しているようだが、まさかここで彼のスタンド能力が生かされているのかも?

 あまり取り沙汰されないキャラでもこれほどまでに魅力的なスタンド能力の数々。自分ならどう使うか、妄想が膨らんでしまう。

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