■エルリック兄弟を震え上がらせる最強の師匠・イズミ
『鋼の錬金術師』のイズミ・カーティスは、主人公であるエドとアルの師匠であり、優秀な錬金術師だ。ドレッドヘアーと抜群のスタイルが特徴の美女だが、なぜかいつもトイレ用のサンダルを履いている。現在は錬金術師を引退し、“主婦”を自称している。夫のシグと精肉店を営んでおり、夫婦仲は(ときに周りが引くほど)アツアツだ。
教育方針はかなりのスパルタ式で、幼いエルリック兄弟を無人島に放り込みサバイバル生活をさせたこともある。当然2人はイズミのことを恐れており、あの怖いものなしに見えるエドですら、師匠に怒られると思うと震えが止まらなくなってしまうほどだ。ちなみに本人も過去の修業で、極寒の地でクマと戦ったり、軍人から食糧を強奪したりして生き延びた。錬金術だけでなく、身体能力もずば抜けているのである。
実はイズミには、亡くした子どもを蘇らせようと人体錬成を試み、失敗してしまった過去がある。のちにエルリック兄弟が自分と同じ過ちをおかしたと知った際には、破門を宣言。しかし以後も彼らに一人の人間として向き合い、ピンチのときにも駆けつけた。
言動は乱暴で超がつくほど厳しい彼女だが、それと同時に、深い愛情と思いやりも持ち合わせている。実の母を亡くした兄弟にとってイズミは母親のような存在であり、また逆に、子どもを亡くしたイズミにとって兄弟は息子のような存在だったといえるだろう。
強さと美しさ、そしてかっこよさを兼ね備えた女師匠キャラたち。彼女たちは皆、厳しいと同時に優しく、弟子のことを想っているからこそ過酷な試練を課す。弟子がときに恐れおののきつつ、それでも彼女たちについていくのは、そんな愛情がきちんと伝わっているからなのだ。