■挑戦して断念した読者も少なくないはず

 海外誌に掲載される、器を中心とした日本料理の美意識について取材協力することになった士郎たちは、杉箸を製造している吉野の工房に足を運ぶ。出来たばかりの杉箸で食事をすることになった士郎たちだったが、雄山が美食家仲間の登田さんを引き連れて登場したことで、その場は一触即発の緊迫した空気に。ちなみに、士郎の行く先々で雄山が現れるのは『美味しんぼ』あるある。

 京料理を堪能する一同だったが、〆に鯛の茶漬けが登場するやいなや鋭い目つきに変わる雄山。さらに息子である士郎が鯛の茶漬けを食べるところを凝視した後、箸の先について少々嫌みったらしく指摘し始める。そんな雄山に対して「ああっ!!俺の箸の先は四センチ以上ぬれているのに、登田さんの箸は一センチくらいしかぬれていない!」とうろたえ始める士郎。雄山いわく「どんなに美しい食器と箸で食べても、食べ方が美しくなかったら何もかもぶち壊しだ」とのことだが、箸をぬらした長さでここまで険悪にならずとも……。

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