■小西克幸さん&奇跡さん2ショットインタビュー

左から)奇跡さんと小西克幸さん

Q:収録お疲れ様でした。オファーを受けた時の率直なご感想をお聞かせください。

小西:大江山の鬼退治じゃないんですけれども、酒呑童子だったりとか、そういうお話っていうのは、やっぱりちっちゃい頃からいろいろな本とかで見ていたので、お話いただいたときは、どういうふうな映像になって、どういうふうなものをつくるのかっていうのは、まだちょっと知らなかったんですけれども、なんか面白そうだなとは思って、すごく楽しみでしたね。

奇跡:今年の1月から活動させていただいて、『鬼滅の刃』のものまねで恐縮ながらバズらせていただいて、こういうかたちに自分が、いま現状、活動させていただいているので、それに大きく関わる『鬼滅』という中で、鬼っていうワードが、しかも声優として携われるっていう意味でいったら、これ以上うれしいことはないなって率直に思いましたし、関われて今もずっとうれしいです。

Q:“リアル鬼殺隊”と言われる源頼光がメインのWEB動画ですが、今回の担当した役でのポイント、こだわりなどございましたら教えて下さい。

小西:面白くなったらいいかなとは思ってますけれども。全体的にちょっと一言言ったりとかするだけじゃないですか。だから、その15秒の中に面白さが入っていけばいいのかなっていう。頼光だけとかってそういうわけじゃなくて、1本ずつの作品というか、その中のバランスというか、短い物語の中でみんなが見てて楽しいなっていうものになればいいかなっていうような気持ちですかね。

 あとやりながら、ちょっとご相談させていただいて、標準語でやったらいいのか、関西弁でやったらいいのかとか。メインは、たぶん、ナレーションのほうが多いと思うので、どっちかっていったらそっちですかね。それをいかに尺の中に入れるかっていう戦いが、これから、たぶん、始まると思います。

Q:実在の人物というのは、過去にもやられたことありますか?

小西:いろいろこう、戦国武将だったりとか、実在の人を演じさせていただくことは、いろいろあったりとかはするんですけれども。それの経験はあります。与えていただくキャラクターのAっていう作品があったら、そのAという作品の中の僕が演じるキャラクターは、どういうキャラクターで、どういうビジュアルで、歴史上こういうことがありました。

 で、この人とこの人が仲いいですとか、例えばこういうことをやってましたってやるんですけれども、たぶん、物語によってテンション感だったりとか、キャラクターの言葉使いとか、つくり方が全然違うと思うんですよね。作品に合うような、Aという作品だったらAという作品の中に合う歴史上のキャラクターを演じるみたいな感じですかね。

Q:奇跡さんは、一人14役を演じ分ける際に気をつけたことは? 大先輩の小西さんと共演されるということで、緊張されましたか?

奇跡:はい。もうほんとに1人でこんなに役をやらせていただけることってめったにないことなので、ただただ聞いている人々に1人でやっているように聞こえないというか、ほんとに14人が14人別々の役者で、そのキャラクターを生きているというか、演じていくっていうのが伝わったらいいなって思うのと、今回は、鬼が題材なので、私も一緒に鬼になりきれたりできたらいいなと思いながら。人間もやったんですけれども、最終的に「これやっている人も鬼なんちゃうん」って言われちゃうくらい、クレイジーな役ができたらいいなって思って頑張ってたつもりです。

――:本日は、大先輩の小西さんと初ですよね?

小西:初めてです。お会いするのも今日が初めてなので。

――:緊張をやっぱりされてますかね?

小西:緊張なんかしてないですよね?

奇跡:いやいや……。もう恐れ多すぎて。

小西:ただの人だから。

奇跡:全然そんな……。一言だけものまねさせていただいてたので、ちょっとしんどいなって思って。

小西:してくださっているんですよ。宇髄天元の。

奇跡:そうなんです。やはり、すごいなあって思いながら見てます。

Q:今回、ラップでも収録がありましたが、如何でしたか?

奇跡:初めてのラップでしたね。このためにラッパーの曲をいっぱいダウンロードしたりとかして、こんなふうに歌ったら聞こえるかなって思ったんですけれども、結局、当日、スタッフの皆さんに助けていただいて、いいのができたんじゃないかなって思っているので、完成が楽しみです。やっぱ、マイク前って、結局動かないと、動いている役をやっているのに、動かずにセリフ言うと動いてない声になっちゃうので、いかに言っている人に。どうやってでも聞こえてほしいから、一生懸命、体から出てた結果でした。動きますよね、マイク前。

小西:動きます、少しは。

奇跡:少し。

小西:あんまり動くと音が立っちゃうんで。

奇跡:ですよね。

小西:マイクが今、性能が良すぎて、すごい拾うんですよ。

奇跡:そうなんですね。大変らしいです。

Q:小西さん、ラップは収録というのもご経験はありますか?

小西:あんまりないと思います。やったことはあると思いますけれども、あんまりないと思います、たぶん。

Q:今回の役を担当して福知山(大江山)に行ってみたいと思いましたか? また、鬼スポットの中ではどのスポットが気になりましたか?

小西:先ほどちょっと資料を見せていただいたんですけれども、すてきなところが多くて、ゆっくり観光したい感じですかね。鬼の関係性のあるところもいっぱいあるじゃないですか。ここは何があった、ここは何があったと。あと博物館があったりとか、雲海とかもものすごいし、朝からそういうところを見て、そこから町に降りて、いろいろ回ったりとかしたいですね。あと鬼グッズがいっぱいあるらしいので、どんなものがあるのか。その中になぜかえごまドレッシングがあったのも不思議な気持ちにもなったんですけれども。

奇跡:私は、『鬼滅の刃』からこれもインスピレーション受けているんですけれども、藤の花がたくさん生えてて、そこで一番最初に主人公たちが行く場所があるんですけれども、その場所にとてもゆかりのありそうな才ノ神の藤っていうところが、すごくきれいだなって思って。例えば『鬼滅の刃』に興味がなくて、ただ観光がしたい人でも、ぱっと見ですごくきれいだなってきっと思えるし、たくさん写真を撮ったり、外だからこそディスタンスも取れると思うので、気兼ねなく行けるってなったら、ここはすごくいいなって思いました。ほかの場所もすごくきれいなので、ここに行くついでにいろいろなところを見ていけたら、きっと楽しい旅行になるだろうなと思います。

小西:博物館はすごい来場者は増えたんですか?

――(関係者)月によっては2.5倍くらいで、館長いわく、なかなかこれまで来てなかった親子連れとかも、『鬼滅の刃』を見て、鬼に興味があったので博物館に来ましたという方もいらっしゃいます。

小西:ありがたいですよね。自分がこういう鬼に入ったのって、ちっちゃい頃だったので。金太郎からとかじゃないですけれども、本で読んだりとかっていうところからだったので、単純に自分が読んでた……。今の子は、たぶん、『鬼滅』なんだと思うんですけれども、自分が読んでた作品に出てくる人の場所に行ってみるっていうのは、興味がありますよね。

――(関係者)なるほど。この動画を機に広がっていけばいいかなと。

小西:そう思います。

Q:声優として、声の為に心掛けている事や、これは毎日欠かさない事などございますでしょうか?

小西:やっぱりずっとマスクしてることですかね。昔からずっとマスク。寝るときとか、外歩くときも。それくらいですかね。あとは、病院の先生に言われたのは、しゃべるときに、のどを乾燥させないように、必ず何か飲みながらやってくださいって言われましたね。

奇跡:今、声優としても活動しているんですけれども、声真似アーティストとしても活動させていただいているので、出てくる音、例えば扉の音とか、心臓のドキドキ音とか、電車が転げ落ちる音とか、町中で聞こえる音、声だけじゃなくて、いろいろな音をのどで出してみるっていうのを最近はずっとやってて、最終的にそれが声優のお仕事にもつながったりだとか、演技の幅が広がるなって思ったので、最近気をつけているのはそれと、あと同じことになっちゃうんですけれども、やっぱ、何か飲み物を飲まないと、のどがやられちゃって。今日も14役やったので、水を8本飲みました。はい。

小西:酷使しますよね、だって。

奇跡:そうですね。

小西:声帯もやっぱり筋肉なので、野球のピッチャーとかと一緒で、酷使しすぎると壊れちゃうんですよね。だから、使い終わったあと、ちゃんと冷やしてあげなきゃいけないし。立ち上げもゆっくり時間かけて声出してってやらないと、簡単につぶれると思います。よっぽど、のど強い人じゃないと。特にこうやっていろいろな声出されているじゃないですか。声帯って結構負荷かかっていると思うんですよね。普段のお声は、やっぱり女性らしい高い声ですけれども。

奇跡:すみません。

小西:ものすごい低い声とかも出されるじゃないですか、がさついた声とか。ああいうのって、一発でやるんですよ、のど。

Q:奇跡さんは男声の声真似も特技かと思いますが、どのような経緯で出来るようになったのでしょうか?

奇跡:もともとは、自分自身の声が、幼い頃は高くって、嫌だなって思って。もっと普通の人みたいになりたいなって思い始めて、テレビキャスターさんみたいなしゃべり方になれば、文句言われないかもと思って、アナウンサーの真似とかをしていたときに、YouTubeで両声類というのがはやってたんですよ。で、男の声も女の声も出して歌うっていうスタイルがすごくはやっていた時期に、自分も同じことできひんかなって思って、ちょっと挑戦してみてて、高校2年生の頃には、化け物になってたっていう。

――:実演していただけることは可能ですか?

奇跡:たぶん、一番わかりやすいかなって思うのは、煉獄寿郎さんなんですけれども。そのキャラクターの音を出すときは、「よもや、よもやだ。柱としてふがいなし。穴があったら入りたい(声真似)」っていう声の出し方になって。もともと知らへんと分かりにくいと思うんですけれども。さっきもぴーんって、たぶん、なんかが鳴っちゃったと思うんですけれども、私、音がすごいパーンっていっちゃうみたいで。

小西:すごいですよね。

奇跡:いやいや。

小西:ここまで音域出せる人はいないと思いますし。

奇跡:恐れ入ります。

――:男性の声をするときは、のど仏が動くと拝見しました。

奇跡:そうですね。普段はないんですけれども、あー(音を上から下へ下げる)ってすると、一番下まで下がるっていう特殊な化け物です。

小西:僕はあまり考えたことはないですけれども。耳で聞いたときに、昔よく気にしてたのは、いろいろな人が声出しているのを見ながら、声帯のどこを使って、音をどこに当てて、どこから抜いているのかなっていうのは気にしたりして。それを真似すると、割と近い音が出たりとかっていうのもあったりとかするので、自分がお芝居するときにっていうのは、よく考えてしましたけれども。日常にあるいろいろな音を出すのあるじゃないですか。

奇跡:はい。

小西:あれ、山寺さんもされてたみたいですよ。

奇跡:そうですね。先輩のものまね芸人の方とか、声優の先輩の方とか、くじらさんとか。

小西:ああ、くじらさん。

奇跡:お話をさせていただくんですけれども、そのときに、別に人間じゃなくていいじゃないみたいな。私自身が結構悩んでたこととかがあったので、関係なくいろいろなことをやっちゃえばいいよって言われてから、いろいろな音を出すようになって、気付いたらほんとの鬼みたいになってました。(笑)なので、ちょっと、鬼、呼んでいただけて、ありがたかったです。

Q:最後にWEB動画をご覧になる皆様へメッセージをお願いします。

小西:動画を家で見させていただいたときに、とっても面白かったので、これを通じて福知山にちょっとこう。今のご時世、ちょっとなかなか難しいところはあると思うんですけれども、お時間あるときにでもふらっと行ってみようかなって思って頂けると嬉しいですね。鬼にまつわることって日本の昔からある文化だったりとかもしますので、そういうのを楽しんでいただけると。そのきっかけの一つになれたらいいなと思いますので、ぜひ、まずはYouTubeを見ていただいて。そして、気になった方はぜひ福知山に遊びに行ってみて下さい。

奇跡:今回は14個もキャラをやらせていただいたので、まず最初に作品として、たくさんの面白いキャラクターがいることを素直に楽しんでいただいて、『鬼滅の刃』を見たことがある人も、見たことがない人も、これをきっかけにちょっと外に出る気持ちになってくれたりだとか、『鬼滅の刃』を逆に見たことない人は、はやっているし、これで見てみようかなって思ってくれたらうれしいですし、自分自身が関わっている、関わってないに限らず、すてきな場所があって、しかも、それがアニメで使われてたりだとか、現実にないと思ってたものがあるって、すごい感動やと思うんですよ。

 私自身も、たぶん、女性で男性の声が出せるって、すごいなって思っていただくことが多いと思うんですけれども、それと同じように『鬼滅の刃』とか、人物たちにもちゃんとルーツがあって、すごい土地にもゆかりのある場所があったり、似ているものがあったりってすると絶対楽しいと思うので、誰かの笑顔のポイントになればいいなって思うので、この「転生したら鬼退治を命じられました」っていう題名は、この作品だけじゃなくて、動画を見てくださった人たちも、鬼退治を命じられて、一緒に福知山で鬼退治したいなって思います。

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