■神回19話あたりから一気にファンが増えていった

Iさん 私はアニメでハマった派なんですが、那田蜘蛛山編で炭治郎が初めてヒノカミ神楽を使ったシーンの演出に鳥肌が立ちました。中川奈美さんの歌う『竈門炭治郎のうた』への入り方も本当にきれいだったし、19話は間違いなく神回でした。その後すぐにコミックスを集め始めたんですが、この頃からブームになり始めたようで書店では品切れが目立つようになりましたね。

Yさん 19話はエンディング曲がいつもと違うっていうのが特別感があったし、優しい歌声でつい泣いちゃいましたね。ツイッターでもすごく話題になって、私をそうですけど、確かにこのあたりから配信でアニメを追いかけ始めた人が多かったように思います。

Tさん そもそもアニメになって声がついて動いてるってだけで、物語への解像度が増すよね。特に那田蜘蛛山編はそれが顕著だったと思う。みなさんの言うアニメ19話はバトルシーンもヌルヌル動くし、炭治郎の刀から出る炎のエフェクトがすごくカッコ良かった。こういう漫画だったんだって、そこであらためて『鬼滅』の魅力を教えられた気分です。

Iさん 確かに、アニメは技の効果が分かりやすかった。だからこそ無限列車編は映像化してよかったなと思う。原作はサッと終わってますもんね?

Mさん 漫画では無限列車編は7巻と8巻のあたりで、サラッと終わった印象があったから、ここまでじっくり描いてくれたのがうれしい。漫画では煉獄さんはすぐに退場してしまった人というイメージがあったから、映画を観て煉獄さんが大好きになった。完璧なだけじゃなくて、ちゃんと人間らしい一面もあるよね。

Aさん 鬼滅アニメにはufotableの魅力が詰まってるよね。ufoといえば、背景のきれいさやバトルシーンに定評がある。『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』や『活撃 刀剣乱舞』もすごかったけど、鬼滅はそれ以上だなと思う。力の入れようがハンパない。

 やはりファン人気が高いのはアニメ19話「ヒノカミ」。炭治郎が下弦の伍・累を「ヒノカミ神楽 円舞」という新たな技で追い詰め、禰豆子が初めて兄を守るために血鬼術「爆血」を使うという兄弟愛が強く描かれたこの回はアニメ史に残る「伝説の神回」としても名高い。炭治郎の刀から出る炎のエフェクトの演出もアニメならではの迫力があった。

 このように、アニメではときおり原作にはない演出やちょっとした小ネタも登場し、そのつど視聴者の間で話題に。現在放送中の「無限列車編」でもそうした箇所についての指摘がリアルタイムで上がり、ツイッターではトレンド入りも果たす。評価が高い作品だからこそ、今後の演出やクオリティにもついつい期待してしまうものだ。

 そこで、今後の「遊郭編」以降のアニメで見てみたいシーンや、描いてほしい人間関係についても聞いてみた。

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