冨樫義博の『ハンター×ハンター』ゴンが登場しない「3つの名勝負」とは? ゾルディック家、幻影旅団、ハンター協会…連載再開までに読み返したい“激アツバトル”の画像
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 冨樫義博氏による人気コミック『HUNTER×HUNTER』は、1998年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載開始。現在コミックスは36巻まで発売されているが、連載のほうは2018年11月26日売りの『ジャンプ』を最後に休載が続いている。連載再開を待ち望む声は多く、他の漫画の休載のニュースが報じられるたびに、なぜか『HUNTER×HUNTER』がトレンドに上がるほどの人気ぶりだ。

 魅力的なキャラクター同士が繰り広げるバトルシーンも同作の人気の部分で、主人公のゴンが登場しなかった戦いの中にも名勝負は多い。以前、当サイトで行った「HUNTER×HUNTERの名勝負」を選ぶアンケートでも、トップ10の中に6つもゴンが関与しない戦いがランクインしていた。

 そこで今回は主人公のゴンが参戦しなかった戦いの中で、個人的に胸が熱くなった“名勝負”をピックアップして紹介していこう。

※なお、本記事には『HUNTER×HUNTER』の一部ネタバレが含まれているので、作品未読の方はご注意ください。

■誰もが決着を見たかった最強同士の争い!

 まず紹介したいのは「クロロ対シルバ&ゼノ」の戦い。熟練のハンターですら恐れる「幻影旅団」の団長であるクロロ=ルシルフルと、伝説的な暗殺者一家「ゾルディック家」のシルバとゼノのコンビが激突した衝撃的な一戦だ。

 裏社会を牛耳っている十老頭というマフィアの依頼を受け、幻影旅団を殲滅する任務に加わったシルバとゼノ。クロロとの戦いは突発的に始まる。

 キルアの父であるシルバはゾルディック家の現当主で、祖父のゼノはハンター協会のネテロ会長から信頼されているほどの猛者。この2人を同時に相手にすることになったクロロは「2対1はさすがにきついな…」とこぼす。

 他人の念能力を盗む「盗賊の極意(スキルハンター)」という能力を持つクロロだが、その特徴や弱点までゼノに看破されてしまう。それでもゼノは油断することなくクロロの動きを止める側にまわり、息子のシルバに「ワシもろともで構わん、殺れ」と自分の命を犠牲にしてでもクロロをしとめることを命じた。

 一方、不利を承知していたクロロはゼノの攻撃を紙一重でかわしながら、シルバに対する警戒も怠らない。そしてシルバの渾身の力を込めた攻撃がクロロに炸裂しようとした瞬間、シルバとゼノの依頼人が死んだことが伝わり、この戦いは決着がつかないまま終了した。

 最後にクロロが「一対一で闘ったらオレとあんたどっちが勝つ?」と問いかけると、ゼノは「そりゃ十中八九ワシじゃろ」と発言。しかし、ゼノは「おぬしが本気でワシを殺ろうと思えば話は別だがな」とつけ加えており、結局のところ双方が本気ではなかったと思わせるやりとりがあった。

 完全決着とはいかなかったが、作中における“最強”の一角が激突するというアツい展開に興奮させられた一戦だ。

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