パンサー菅「コントにしたい完璧な設定」少女漫画『消えた初恋』の魅力熱弁の画像
パンサー・菅良太郎さん
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 どうもみなさん、私吉本興業で「ヒゲとロン毛をもっと世界中に」という趣旨で宗教活動をしているパンサー菅良太郎というものでございます。活動内容と致しましてはヒゲとロン毛っていいよねと飲み会でダベるだけでございます。以後お見知り置きを。

 私39歳男子なのですが、少女漫画が好きでこのふたまん+で少女漫画についてのコラムを書かせていただいている次第でございます。さて今回コラムを書かせていただく作品は、ひねくれ渡さん原作&アルコさん作画による『消えた初恋』でございます。タイトルのみで想像すると悲しめのストーリーかな? と思いますがコメディ色強めの作品です。

 あらすじはといいますと、高校2年生の主人公、青木はテストの前に消しゴムがないことに気づいて焦っている。すると隣の席のヒロイン、橋下が消しゴムを貸してくれる。主人公の青木は彼女に絶賛片思い中。喜びながらもなんの気なしに消しゴムのカバーを外した青木は、消しゴムの表面に占い的な意味で「イダくん♡」と書かれているのを発見してしまう。

「橋下さんが好きな人は井田なのか」とショックを受けていると、テスト用紙を回してきた前の席、井田が用紙で消しゴムを落としてしまう。消しゴムを拾った井田は自分の名前が書かれていることを不思議に思うが、意味が分かった井田はどういうことかと青木を問い詰める。

 本当のことを言うと橋下の恋心がバレてしまうため「自分の消しゴムだ」と青木は井田に伝える。そのため井田は、青木が自分のことを好きだと勘違いしてしまう……。

 めっちゃいい設定! 初めて読んだときこの設定思いつきたかった! って思いました。コントでも絶対面白くなりそうな設定ですよね。この少女漫画もコメディ寄りではあるのですが、ここから少女漫画としてしっかり面白くなっていきます。

 この後も誤解を解くことはできず、事態はヘンテコな方向に進んでいくのですが、その展開がちゃんと読んでてときめくんだよなぁ。勘違いしている井田、その井田に片思いしている橋下、その間で葛藤する青木。この3人のバランスが絶妙で読んでるうちに自然と口元が緩んできます。

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