左から)田村睦心、湯浅政明監督、伊藤沙莉、松岡美里
左から)田村睦心、湯浅政明監督、伊藤沙莉、松岡美里

 12月26日、都内NHK放送センターでアニメ『映像研には手を出すな!』の完成披露試写会が行われ、監督の湯浅政明監督、映像研の声を担当する女優の伊藤沙莉、声優の田村睦心松岡美里が出席した。

『月刊!スピリッツ』(小学館)で連載中の大童澄人氏による同名コミックを原作とした本作。「アニメは設定が命」と力説する高校1年生の浅草みどり(伊藤)を中心に、同級生でありながらプロデューサー気質の金森さやか(田村)、カリスマ読モでアニメーター志望の水崎ツバメ(松岡)が集結。「最強の世界」を表現すべく、映像研究会、略して“映像研”を設立し、理想のオリジナルアニメを製作するために奮闘する。監督は映画『マインド・ゲーム』『夜は短し恋せよ乙女』などで知られる湯浅政明氏。2014年4月クールにフジテレビ系「ノイタミナ」枠で放送された『ピンポン THE ANIMATION』以来、約5年ぶりに連続テレビアニメを手がける。

 この日の試写会では1月6日深夜にされる第1話が先行上映された。鬼才として知られる湯浅監督は上映後の会見で「原作の“マンガでアニメを作る”っていう話を、“アニメでアニメを作る”って話に変えなければならず、そこが難しい。そこをどう表現するか苦労してますし、そこが見どころかなと思ってます。原作のマンガには行間があるので、そこに何があるだろう、というものを想像しながら作っています」とアニメ製作の苦労を語った。

 また、湯浅監督は「『映像研』と同じように、いつも楽しみながらアニメーションを作りたいと考えてます」とコメント。「いつも大概のことはできる。思いついたことはできるだろうという気持ちで思って作ってますので、それが『映像研』の浅草みどりたちが考えたことがアニメになるということと繋がっている。本作は想像したものができていく醍醐味にあふれていると思います」と同作の魅力を語った。

 連続テレビ小説ひよっこ』(NHK)をはじめ『獣になれない私たち』(日本テレビ系)などドラマや映画で活躍する女優の伊藤沙莉は、今作では主人公の浅草みどりの声を担当する。声優として起用されたことについて、伊藤は「毎週、声を録っていくうちにすごく熱い気持ちになるんです。“楽しい!”って心から思いながら声をやらせてもらってます」とコメント。声優と女優との違いについては「お芝居を普段やるときはまず大きなリアクションをしてから引いていく引き算で考える形がやりやすい。でも声のお仕事では、自分でも少し大げさかなと思うぐらいがちょうど良かったりします。そこがすごく楽しいです。(声優は)かなり足し算だなと思ってやってます」と明かした。

 この日は同じく『映像研』の声を担当する田村睦心と松岡美里も出席。田村は「物語がだんだんスピードアップしてテンポもよくなっていって、どんどんセリフの量が増えていってます。どの作品もそうだと思いますけど、アニメは尺が決まっているので、その尺の中にどれだけ熱量を込められるか、セリフのひと言がすごくギュッと凝縮されていてすごいんです」と今後の魅力的な展開をアピール。

 また同作で初めてテレビアニメのメインキャラを担当する松岡は「『映像研』中心の生活になってます」とコメント。「週1のアフレコにすごく夢中になってます。アフレコが終わったらとりあえず休憩。その次の日から次回のアフレコのことを考えて、原作漫画を読んで研究したり、台本を見ながら映像を見て練習して、1週間の間、常にこのアフレコに向けて生活してます。『映像研』に夢中になってます!」と意気込みを語った。

 この日の会見では、3人そろって同じデザインのイヤリングをして登場。そのことを記者に指摘されると、松岡からのプレゼントだったことを伊藤が告白。「買ってきてくださったんですよね? 浅草は黄色、金森は紫、水崎はピンク。映像研だからエンピツのデザインでね、消しゴムまでついてるんです。本当に感動しましたね!」とコメント。田村は「“会見でおそろいにしませんか”ってね。買ってきてくれたんです」と松岡の心配りを明かすと、さらに「彼女、言っていいのか分からないですけど本業だけでなくアルバイトまでしてて……」と暴露。「だからそんなに余裕のある感じじゃないと思うんですけど、なけなしのお金で!」とプレゼントに感謝すると、松岡から「それ私が悲しくなるやつじゃないですか!」とツッコミを受けていた。

 松岡は「奮発しました!」と笑顔で語ると、伊藤から「もう、なんていうの。宝! なんて貴重なとんでもない贈り物をしていただいたな。本当にうれしいですね」と感謝を伝え、3人の和気あいあいぶりをアピールした。

 アニメ『映像研には手を出すな!』は2020年1月5日(日)24時10分よりNHK総合テレビにて放送開始。