8月30日に放送されたテレビアニメ『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系)で、昨今の日本社会で注目を集める“働き方改革”をテーマとした回が登場。ネット上で「世も末だな……」「しんちゃんですら働き方改革とか言い始める時代か」と大きな話題を呼んだ。
この日放送された「サラリーマンしんのすけ オラの働き方改革だゾ」というエピソードで、しんのすけが父・ヒロシが働くふたば商事で部長として働く話が描かれた。冒頭でしんのすけは女性社員に甘やかされるという“働き方改革”を提案するも、「それセクハラじゃないですか」とツッコまれてしまう。
続いて部下のヒロシたちと一緒に、取引先との契約をかけた会議に出発したしんのすけ。しかし取引先の相手として登場した畑楽木杉夫(はたらきすぎお)は、「入社以来、残業徹夜は当たり前、つねにギリギリまで仕事をしてきた」とモノローグで語るほどのブラック企業体質。ヒロシたちを定時で帰らせたくない畑楽木は、部下に徹夜で作らせたぶ厚い資料を提出して会議を長引かせようとする。
だが会議中にも関わらず、しんのすけは楽しみにしていた「アクション仮面」の放送をスマートフォンで鑑賞。その内容は偶然にも会議の内容と重なっており、「ブラックですな~」「部下は大事にしないと~」と会議ではなくアクション仮面の感想をつぶやいた。
また会議を通して、無理な働き方をしている取引先の仕事にさまざまなミスがあったことが発覚。優位に立ったヒロシたちは、無事に契約をとって定時退社に成功する。またしんのすけが見ている番組の中でも、アクション仮面が「アクション!ノー残業キック!」と「アクション!休日出勤禁止ビーム!」によって敵を撃破。「効率よく働き、定時に帰る。それが私の働き方改革だ」と決めゼリフを放っていた。
社会問題を取り上げた番組の内容に、ネット上では「しんちゃんも働き方改革してるのにうちの会社ときたら……」「風刺をしんちゃんが笑いに変えるって展開、痛快すぎる」「アクション仮面まで働き方改革してて笑っちゃった」と称賛の声が続出。また一方で「7時台に放送してもブラック企業の人は観られないんだろうな」と指摘する声もあった。
ギリギリを攻めるネタはまさに『クレヨンしんちゃん』の真骨頂だと言えるだろう。