ダークな山田涼介も含めて予測不能すぎ…常識破壊ドラマ『一次元の挿し木』から目が離せない【かんそうの週刊ドラマレビュー】の画像
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 人気ブロガーのかんそうさんが毎週1回『ふたまん+』にてお送りする、ドラマへの熱い“感想”。今回のテーマは山田涼介主演のドラマ『一次元の挿し木』。単なるミステリードラマとは一線を画す「奇抜設定」と、アイドルらしからぬ演技を見せる「山田涼介」のヤバさについて深堀りします!

 

 遺伝子学を研究する大学院生が、行方不明の義理の妹とDNAが100%一致する200年前の骨を解析してしまうという、完全に頭のネジがぶっ飛んだトンデモ科学ミステリー『一次元の挿し木』(日本テレビ系)。

 いま第2話まで放送されているが、すでに第1話目から俺の脳味噌をグチャグチャにかき回してきてくれました。

 主演の七瀬悠を演じる山田涼介が、まず冒頭からおかしい。葬式に乗り込んでハンマーを何度も振り下ろす。完全に不審者。目が血走って「妹は生きてる」と信じ込み、葬儀場に殴り込みをかけるガチ執着系大学院生。4年前の豪雨で行方不明になった義妹・紫陽(堀田真由)の姿をその後目撃したとかで、完全に現実と妄想の境目が溶けている。

 彼の可愛い系男子というイメージを、第1話で「吐き気するレベル」の科学的事実でブチ抜かれました。データ見て顔真っ青になりながら「これは……ありえない……」って震える演技、最高にキモ可愛い。覚醒しすぎている。

 そんな悠の元に、恩師の教授・石見崎(正名僕蔵)から舞い込む古人骨DNA鑑定の依頼。場所はインドのループクンド湖、200年前の人骨。地元民曰く「骨を持ち去った人間はみんな呪われて死ぬ」らしいけど、悠は普通に引き受ける。

 ところが解析結果が出た瞬間、DNAが、行方不明の紫陽と100%一致してるだと……。

 骨は200年前確定。なのに現代の妹と完全一致。タイムトラベル? クローン人間? 悠がトイレでゲロ吐きそうになりながら何度もデータを再計算する姿が痛々しすぎる。

 さらに、石見崎が、無惨な姿で殺されるという事件が発生。おかしくなりそうになる悠の元にやってきたのは、石見崎の姪・石見崎唯(白石聖)。

「真理ちゃんが行方不明になっているんです」

 石見崎の娘・真理の失踪を告げ、互いの目的のために協力し合わないかと悠に申し出る。さらに唯が紫陽の口癖「ちょっと賢いと思われたくて」と、偶然言ったにしては回りくどすぎる言い回しと全く同じ言葉を口にする、というところで第1話は終了。

 謎がさらなる謎を呼び、その謎がまた別の謎を生み出す。SFなのか、サスペンスなのか、もはやなんのドラマなのか私には全く分からない……。

 展開の速さがまた異常。葬儀場乱入→骨の依頼→解析→DNA一致→唯の爆弾→次回予告まで、止まらない。科学版不倫托卵ドラマみたいなスピード感。ループクンド湖の呪いが本気で発動し始めたらどうなるんだよ。山田が徐々に髪の毛掻きむしりながら「論理が崩壊していく」過程が見たい。見たいけど怖い。

 周りを固めるキャストもヤバい。義理の父で大手製薬会社社長の七瀬京一(佐々木蔵之介)は、もう完全に「怪しい金持ち親父」オーラ全開。葬儀を粛々と進める冷たい目が怖い。絶対に黒い何かがあるに決まってる。

 紫陽役の堀田真由も、フラッシュバックだけで「生きてる感」全開で不気味。行方不明者のはずなのに、どこか達観したような目をしてるのが気持ち悪いくらい綺麗。

 さらに世界的発生生物学者・仙波佳代子(鈴木保奈美)、ジャーナリスト・平間孝之(小手伸也)、謎の女性・春日陽子(松下由樹)、中国の大手企業の社員・香島強(笠原秀幸)、刑事・多田宗幸(和田正人)、全員が全員、なにかを抱えている……怖すぎる。

 『一次元の挿し木』はただのミステリーじゃない。遺伝子、時間、家族、記憶、呪い、全部ぶち込んで人間のアイデンティティを粉々に砕く、狂気の実験ドラマ。1話見ただけで「もう俺の常識が200年前に飛ばされた」気分。毎週日曜22:30が拷問と快楽の時間になるだろう。

 山田涼介がどこまで壊れていくのか。紫陽は本当に「挿し木」された存在なのか。呪いは科学でぶち破れるのか、それとも全員呪い殺されるのか。全く予測がつかない。この夏一番の頭痛薬兼興奮剤。

 覚悟して観ていただきたい。観たら最後、毎週自分のDNAを鑑定したくなる衝動に駆られるドラマです。

 

■著者プロフィール
かんそう
ブロガー・ライター・作家。北海道の片隅で意味不明な文章を綴る長男。
著書に『書けないんじゃない、考えてないだけ。』『推すな、横に並んで歩け』がある。

 

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