【女性編集者が選ぶ「妖艶なる悪役キャラ」8】岡田将生が魅せた「初の本格的悪役」 奇抜なビジュアルと冷酷さの奥に見える愛情…『ジョジョの奇妙な冒険』虹村形兆の画像
岡田将生 写真/ふたまん+編集部

 人気漫画やアニメの実写化作品において、主人公の魅力と同等、あるいはそれ以上に作品の成否を分けるのが「悪役」の存在だ。圧倒的な強さや独自の信念を持ち、主人公の前に立ちはだかる姿は、時に主役を食うほどの強烈なインパクトを残すことがある。

 とりわけ近年話題を集める大ヒット実写映画やドラマでは、ただ恐ろしいだけではなく、男性ながらどこか魅力のある“色気”のある悪役たちも登場している。

 特に女性なら、そんな影のある男性キャラに惹かれてしまう人も少なくないのではないだろうか。正義の主役とはまた違う、悪役ならではの妖艶さに釘付けになってしまうのだ。そうした彼らの魅力は、演じる実力派俳優たちの役作りと、身を削るような熱演によって生み出されているのだろう。

 そこで今回は「ふたまん+」の女性編集者たちが、漫画の実写化作品から、思わず息を呑むような「色気のある悪役男性」をピックアップ。その魅力に迫っていきたい。

(第8回/全8回)

※本記事には作品の内容を含みます

■金髪ロングの奇抜なビジュアルと冷酷さの奥に見える“弟への愛”…『ジョジョの奇妙な冒険』虹村形兆役:岡田将生

 2017年に公開された、荒木飛呂彦さんによる大ヒットコミックの初実写映画化作品『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』。

 山﨑賢人さん演じる主人公・東方仗助らの前に立ちはだかる強敵であり、ある野望のために暗躍する虹村兄弟の兄・虹村形兆(にじむら けいちょう)を演じたのが、岡田将生さんだ。

 形兆は、無数のミニチュア軍隊で一斉攻撃を仕掛ける恐るべきスタンド「バッド・カンパニー」を操る冷酷無比な男である。目的のためには手段を選ばず、他者を淡々と排除していく非情さが彼の特徴だ。端正なマスクで柔和なイメージが強い岡田さんが、この血も涙もない悪役をどのように演じるのか、公開前から大きな注目を集めた。

 まず観客の目を惹きつけたのは、その奇抜なビジュアルである。形兆のトレードマークでもある角刈り風&三つ編み金髪のロングヘアーに、学ランをベースにした派手な衣装。一歩間違えればコミカルになりかねない難易度の高いスタイルだが、岡田さんが演じると、まるで西洋の絵画から抜け出してきたかのような高貴な悪のオーラが漂っていた。

 自身も『ジョジョ』ファンだと公言する岡田さんは、「衣装とヘアスタイルが本当に素敵。毎日準備していく中で形兆になっていける。強味になっている」と語っており、その完璧なビジュアルが役作りにおいて重要な役割を果たしたことがうかがえる。

 そもそも岡田さんは、数多くの少女漫画実写化作品でヒーロー役を務めた経歴を持ち、漫画から抜け出してきたかのような端正なルックスで知られる。しかし本作で彼が放った悪役としての色気は、冷酷なだけの悪役にとどまらない深い表現力を後押しした。

 形兆が非道な行いを重ねる背景には、異形の怪物と化した父親に対する複雑な感情と“ある目的”を達成しようとする悲壮な覚悟がある。岡田さんは「冷酷な部分もあるけれど、信念のある役」とその内面を深く理解し、彼の立ち居振る舞いの中に背負っている悲しみもにじませていた。

 さらに、本作の形兆を語るうえで欠かせないのが、新田真剣佑さん演じる弟・億泰との関係性だ。

 作中では、直情的で思慮の浅い億泰に対して厳しい態度を取りながらも、心の底では弟を思う様子が見え隠れする。その絶妙な兄弟関係は、カメラの回っていないところでの2人の交流が大きく影響していたという。

 岡田さんにとって初の本格的な悪役への挑戦だったこともあり、「精神を統一したかった」という岡田さん。だが、新田さんはカメラが回っていないところでも弟・億泰になりきって岡田さんにまとわりつき、その距離を縮めたという背景がある。

 結果として、2人の間には本物の兄弟のような関係性が構築され、それが芝居に生かせたと岡田さんは語っている。

 単に恐ろしいだけでなく、冷徹な仮面の奥に人間味あふれる家族愛、兄弟愛を秘めていた虹村形兆。岡田さんのギリシャ彫刻のようなビジュアルの美しさと繊細な演技力が、形兆という悪役の色気をより一層引き立てたのは間違いないだろう。

 

 

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