人気漫画やアニメの実写化作品において、主人公の魅力と同等、あるいはそれ以上に作品の成否を分けるのが「悪役」の存在だ。圧倒的な強さや独自の信念を持ち、主人公の前に立ちはだかる姿は、時に主役を食うほどの強烈なインパクトを残すことがある。
とりわけ近年話題を集める大ヒット実写映画やドラマでは、ただ恐ろしいだけではなく、男性ながらどこか魅力のある“色気”のある悪役たちも登場している。
特に女性なら、そんな影のある男性キャラに惹かれてしまう人も少なくないのではないだろうか。正義の主役とはまた違う、悪役ならではの妖艶さに釘付けになってしまうのだ。そうした彼らの魅力は、演じる実力派俳優たちの役作りと、身を削るような熱演によって生み出されているのだろう。
そこで今回は「ふたまん+」の女性編集者たちが、漫画の実写化作品から、思わず息を呑むような「色気のある悪役男性」をピックアップ。その魅力に迫っていきたい。
(第2回/全8回)
※本記事には作品の内容を含みます
■極限美ボディと独自の死生観『今際の国のアリス』キューマ役:山下智久
2022年にNetflixで全世界独占配信され、世界的な大ヒットを記録したサバイバルサスペンスドラマ『今際の国のアリス』シーズン2。山﨑賢人さん演じる主人公・アリス(有栖良平)たちの前に立ちはだかる、強烈なカリスマ性を持ったゲームマスター・キューマ(クラブのキング)を演じたのが山下智久さんだ。
本作で山下さんが登場した瞬間、多くの視聴者が画面の前に釘付けになっただろう。なぜなら、キューマは“衣服を一切まとっていない“という衝撃的なキャラクターだからである。
山下さんはこの難役を実写化するにあたり、数カ月前から徹底した肉体改造を敢行。スクリーンに映し出された無駄のない彫像のような肉体美は、まさに圧巻の一言だった。
山下さんはこれまでも映画『あしたのジョー』などの映画でも鍛え上げられた肉体を披露してきたが、本作ではさらにバランスの取れた、芸術的なまでに美しい肉体を作り上げた。また、猛暑のなか行われた撮影では、素足の山下さんがやけどしないようスタッフが地面を冷やすなど、チーム一丸のサポートによってこの特異なキャラクターは完成したのだ。
しかし、キューマの真の魅力はその肉体美だけにとどまらない。彼は元の世界ではバンドのボーカルとして活動しており、仲間から絶大な信頼を寄せられているリーダーだ。
印象的だったのが、第2話の冒頭に登場するバンドのライブシーン。ニルヴァーナのカート・コバーンをイメージした衣装をまとい、イギリスのバンド・Sick Joyの未発表楽曲『Turn Me Up(Right Now)』を熱唱。アイドルとしても活躍してきた山下さんならではの歌唱力や存在感は、キューマのバンドマンとしてのカリスマ性を遺憾なく表現していた。当初のシナリオにはなかったこのシーンは、キャスト陣が時間をかけて練習とレコーディングを繰り返し、作り上げたという。
キューマが主催する“げぇむ”「すうとり」は、5人1組で持ち点を奪い合い、負ければ死が待つという無慈悲なルールだ。しかし彼は、バンド仲間との強い絆を武器にアリスたちの前に立ちはだかる。そして、生死を懸けた極限状態の“今際の国”において「裸の魂で全力で対話しようぜ」とアリスに迫り、穏やかな笑みを浮かべるのだ。
敵でありながらもアリスの心に大きな影響を与え、生きることへの意味を問いかけ続けたキューマ。その姿は、その肉体美だけでなく、内面からも底知れぬ妖しい色気を漂わせていた。
かつてないサバイバルサスペンスにゾクゾク! Kindleで『今際の国のアリス』をチェック



