
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の人気漫画『SAKAMOTO DAYS』の実写映画が2026年に公開されることが決定し、大きな話題を呼んでいる。
主人公である伝説の殺し屋・坂本太郎役を務めるのが、Snow Manの目黒蓮さん。作中では特殊メイクを駆使し、原作さながらの140kgの巨体に挑戦することが明かされている。
役者の見た目を大きく変える特殊メイクは、過去にも多くの女優たちが役作りのために活用してきた。最新技術を駆使し、普段のスラリとした体型からは想像も付かないふくよかな姿を披露し、視聴者を驚かせてきたのである。
そこで、思わず二度見してしまうほど、役作りで大胆な変貌を遂げた女優たちについて振り返っていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■怖カワイイピエロ…『夏目アラタの結婚』黒島結菜
児童相談所に勤務する男性が過去の事件の真相を暴くため、一人の死刑囚と獄中結婚し、駆け引きを繰り広げる異色のサスペンス作品『夏目アラタの結婚』(原作漫画:乃木坂太郎さん)。
女性死刑囚・品川真珠とのスリリングな駆け引きが手に汗握る一方、彼女のミステリアスな言動と奇妙な可愛らしさが、観る者を物語へと深く引き込んでいく。
2024年に公開された実写版映画では、物語のヒロインでありキーパーソンである真珠を、女優の黒島結菜さんが演じることとなった。
一見すれば可愛らしい女性だが、虚ろな眼差しや不意に微笑む姿からは、原作の真珠が持つどこか不気味な気配が存分に伝わってくる。
特徴的なガタガタの歯並びも、専用のマウスピースで見事に再現。まさに原作さながらの“怖カワイイ”真珠をスクリーンに降臨させた。
それだけでなく、黒島さんは真珠の過去の姿にも体当たりで挑んでいる。真珠はかつてピエロのメイクを施して犯行に及んでいたのだが、当時はかなりの肥満体で、そのずんぐりむっくりとした姿から「品川ピエロ」の異名で恐れられていた。
黒島さんは特殊メイクによって、この肥満体の真珠までも完全再現。3時間もの時間をかけ、観る者に強烈な印象を与える連続殺人犯のおぞましい姿へと変貌したのだ。
普段の黒島さんとはかけ離れた見た目でありながら、それでいて随所に黒島さんの面影が垣間見えるのも実に面白い点だろう。現在と過去、2つのビジュアルで表現される真珠の新たなる魅力は必見だ。
■包容力に満ちたふくよかな体型に…『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』天海祐希
悩みを持つ人々が、一軒の不思議な駄菓子屋に訪れたことをきっかけに、摩訶不思議な騒動に巻き込まれていくファンタジー作品『ふしぎ駄菓子 銭天堂』(原作児童小説:廣嶋玲子さん)。
駄菓子が引き起こす現象はコミカルでありながら、その一方、使い方を間違えた人には恐ろしい結末が訪れる……。ホラーテイストな魅力も併せ持つ本作は、原作は児童小説でありながら、その独特の世界観は子どものみならず、大人をも魅了している。
高い人気を誇る本作は、2024年には実写映画が公開。本作のキーキャラクターである駄菓子屋・銭天堂の店主・紅子を演じたのが、天海祐希さんだ。
紅子といえば、結い上げた白い髪と銭柄の着物、そしてなによりその包容力に満ちたふくよかな体型がトレードマークのキャラクターである。
スレンダーなプロポーションの天海さんとはかなり大きなギャップがあるが、実写映画ではこれを特殊メイクの力でカバー。二重あごまで完璧に再現したその姿は、まさに不思議な駄菓子屋・銭天堂の女店主そのものだった。
優しく温かいまなざしで子どもを見守る姿、だが、不意に見せる毅然とした表情など、原作の紅子が持つ包容力と天海さんのシャープなイメージとが見事に融合していた。
ちなみにこの特殊メイク、装着するだけでもかなりの時間がかかるという。装着後もずれることを気にしてうまく食事ができなかったりと、天海さんにとってハードな撮影だったようで、インタビューでは「(撮影中)どんどんどんどんやせていきました」と明かしていた。
そんな苦労すら感じさせないほど見事に紅子を演じきった天海さんの姿を、ぜひ見てみてほしい。