■最後の望みは「降霊術」?
死が確定しているとするならば、「降霊術」で復活する可能性はどうか。
第222話にて、七海を慕っていた猪野琢真が何やら思惑ありそうな様子を仄めかしている。彼の術式「来訪瑞獣」は、降霊術で四種の瑞獣の能力を降ろして使用するもの。瑞獣以外の能力も降ろせるのかは不明だが、もしかすると猪野の能力を介して七海が一時的に復活……なんてことはありうるかもしれない。
ただ一点気になるのは、七海が死の間際、特級呪霊の真人に触れられていることだ。ということは、肉体だけでなく魂の形状も変わっている可能性が高い。元の形を留めていない魂で降霊をしても、本来の七海はもう戻ってこないのではないか。
あるいは、猪野が降ろすのはあくまで能力に限った話で、魂は関係ないのか。そうなると、それは単なる“十劃呪法を使う猪野”だ。心温まる展開ではあるが、七海復活とは言えない。
■「降霊術の可能性」をもう少し探ってみる
降霊術で蘇ったキャラというと、伏黒甚爾が思い浮かぶ。呪詛師のオガミ婆が、孫の身体を依代に憑依させたものだ。
オガミ婆は「肉体の情報」と「魂の情報」とを分け、暴走などを防ぐためにも肉体の情報しか降ろさないと決めていた。しかし甚爾の特殊な肉体は孫の魂をも凌駕し、その肉体を乗っ取って完全に顕現することとなった。
それならば、もし七海の魂が無事な場合、そのへんの適当な呪詛師でも依代にして魂・肉体両方の情報を降ろせば復活もアリなのではないか……いや、最悪魂が無理でもザコ相手なら肉体の情報だけで何とかならないものか……と、つい期待してしまう。
ただ、これは甚爾が特殊な天与呪縛だからこそ起こった極めて稀なケースだろう。実際のところ、実現の可能性は薄そうだ。
総じて、やはり七海復活の可能性は薄いのではないかというのが、今回の結論だ。
もしも、第236話「南へ」(アニメ未出のため詳細は控える)が妄想でなく事実であれば、こうして復活の可能性を探ること自体、野暮というものだろう……。悔いのないまま南へ旅立ってくれたら、ファンとしてはそれはそれで幸せなのかもしれない。