■気候変動や外交問題まで!?「ひろびろポンプ」
てんとう虫コミックス21巻に登場する「ひろびろポンプ」は、物の大きさや土地を広げることができるひみつ道具だ。
ある日、“もっと広い場所で遊びたい!日本は狭い!”と愚痴るのび太。それを聞いたドラえもんは「ひろびろポンプ」を取り出し、土地の面積を広げる。
思い付きでどんどん土地を広げていくのび太だったが、その結果、日本列島の面積が増え、海流の流れを変えてしまい、全世界に気候変動をもたらす事態に陥ってしまった。
公園の面積をちょっとだけ増やすぐらいなら、きっと問題はなかっただろう。しかし日本国土の面積を増やしてしまえば、気候変動のみならず外交問題にも発展する。結論、外国との戦争の火種も生み出しそうな、恐ろしい道具である。
■人工的に作られる恐ろしい生物…「ガラパ星生物進化研究所」
『ドラえもん』の中でも難しく、リアリティがあって恐ろしいストーリーと言われているのがてんとう虫コミックス45巻に掲載されている「ガラパ星からききた男」である。
本作はのび太が未来人に連れられガラパ星という惑星に行き、そこにある生物進化研究所で自分のために働いてくれるアリ人間を製造してもらうストーリーだ。これにより、地球はそのアリ人間に征服されそうになってしまう。
ガラパ星生物進化研究所では開発技術博士のもと、顧客の要望に応じた新生物が次々と製造されている。最終的に危険生物を生み出す場所として閉鎖されるのだが、このストーリーは現実社会にも起こり得る話だ。
現在医療技術の発展とともにクローン技術も発展しており、いつかはマンモスも蘇るといわれている。しかし悪い方に利用されたら、とんでもない生物が誕生するリスクも否めないだろう。
今回紹介した『ドラえもん』のひみつ道具は、使い方を間違えたら人類が滅亡してしまいそうな恐ろしいものばかりだ。
しかしそれは現実社会においても同じだろう。たとえばスマホはとても便利な道具だが、間違って使えば人を傷つけ、争いごとも起きてしまう。
結局利便性のある道具というのは、使い方次第でどうにでもなるのだ。今回紹介したひみつ道具を参考に、私たちも正しい道具の使い方を模索していきたいものである。