『新・ドラえもん』を見て育った令和の小学1年生に『旧・ドラえもん』を見せたら…衝撃の結果にの画像
『映画ドラえもん のび太の創生日記』(1995年公開)

 1969年から小学館の雑誌で連載がはじまって以来、多くの子どもたちを虜にしてきた藤子・F・不二雄さんの『ドラえもん』。もう40年以上も前だが、筆者も3〜4歳のころ、当時住んでいた文化住宅で玄関を全開にしながら、本作を観ていた記憶がおぼろげに残っている。

 令和になってなお、我が子たちもみんな『ドラえもん』を観ている。ただし、それは2005年に大幅にリニューアルされスタートした現バージョンだ。そこで、筆者が観ていた“あの頃のドラえもん”を観たらどんなイメージを持つのか、見てみることにした。

■旧主題歌を知っている! さすがは国民的アニメ『ドラえもん』

 アニメ『ドラえもん』は2005年にハイビジョン化など設定がなにかと変更されたのだが、一番の大きな変革ポイントは声優交代だったのではないだろうか。当時、すでに社会人となっていた筆者も驚いたものだ。ここではリニューアル後を『新・ドラえもん』、それ以前を『旧・ドラえもん』として、書いていこうと思う。

 その当時はアニメを観ていなかったのだが、やはり気になり『新・ドラえもん』を観てみた。画質は綺麗になっていたのだが、正直、キャラたちの声に違和感を抱いたことを覚えている。やはり大山のぶ代さん演じるドラえもんに慣れ親しんできた筆者世代にとっては、仕方がないものだろう。

 それから5年ほどして、長男が4歳、長女が2歳になったころ、妻が「ドラえもんが面白い」と言ってきた。筆者は仕事の都合でいつも放送時間には間に合わなかったのだが、録画したものを子どもたちと一緒に観て驚いた。

 なんと主題歌が変わっているではないか! 長年親しんだ「ドラえもんのうた」から「夢をかなえてドラえもん」になっていた。少しさみしい気がしたが、新しい主題歌もなんともワクワクする曲で、子どもたちもノリノリで歌っていた。

 そうして、毎週観るようになると声優交代も自然と受け入れられるようになった。

 そういえば当時もレンタルDVDで『旧・ドラえもん』を借り、車での移動中に子どもたちに見せたことがある。懐かしの「ドラえもんのうた」のメロディーが流れてきてつい口ずさんでいたら、後部座席からも子どもたちの歌声が聴こえてきた。「あれ? 知ってるの?」と聞くと、どうやら保育園で先生たちに教わったらしい。「どっちが好き?」と聞くと「“とってもだいすき”のほう!」と、兄妹揃って満面の笑みだった。さすがは国民的アニメ『ドラえもん』だと思ったものだ。

■令和の小学1年生も違和感ない様子で『旧・ドラえもん』に夢中

 筆者の長男と長女はちょうど声優交代と変わらない時期にアニメを観ていたので、まだ『旧・ドラえもん』のDVDがたくさん店頭に並んでいた。

 しかし、長女から8歳も離れた令和の小学1年生の次女になるとどうだろうか。『新・ドラえもん』は2年ほど観ていたものの、『旧・ドラえもん』はまったく知らないはずだ。

 今年の夏休み、次女に「久しぶりに『ドラえもん』でも見ようか」と言うと、「見たい!」とまだまだ素直で可愛らしい返答がきた。動画配信アプリで『旧・ドラえもん』の映画を探す。夏休みだけに、“夏休みの自由研究”が出てくる『ドラえもん のび太の創世日記』を選んでみた。

 さて、『旧・ドラえもん』ではどんな反応をするのか。「あ、それ声優違うヤツやで」と、声優マニアの中学3年生の長女が先に言ってしまう。さらに「声優違うと意味ないやん」なんて、冷酷なセリフを吐いてくる。いや、それが知りたいんだよ。こっちは……。こちらの意図を図らずに先を言ってしまう女子はクラスに一人はいたものだが……。

 はじまってすぐに「なんか声が変……」と、次女も違和感を抱いたようだ。しかし、OPでドラえもんが“みずら”の髪型をして宙を飛ぶと大笑い。旧主題歌を長女が歌い出すと(お前が歌うんかい)、それに合わせて次女もノリノリダンスを披露していた。

 その後、「ジャイアンの声が“一郎”じゃない」と言ってはいたが、最後まで夢中になって楽しんで観ていた。うん? ちょっと待てよ……一郎とは『新・ドラえもん』の木村昴さんが演じる『ヒプノシスマイク』の山田一郎のことらしい。いやいや、これはこれで知っているのもある意味凄いのだが……長女の影響だろうな。

■コンセプトが変わっていないので『旧・ドラえもん』も面白い

 さて、次女に感想を聞いてみたところ、「面白かった!」と喜んでいた。筆者も一緒に観ていたが、“こんな壮大なストーリーをやってたの?”と思えるほど、子どもには難しいような気がした。とはいえ、“創世セット”なんて興味が湧く。大人になった今だからこそ余計に面白く感じた。

 子ども向けの『ドラえもん』とはいえ、宇宙誕生や世界史に生物進化の話、なにより「創世」というワードが頻繁に出てくるストーリーは少し難しいかなと思っていたのだが、「ビッグバン」など、自然に受け入れている様子。ネット世代の子どもは知識が豊富だ。

 また、次女は声優交代も途中から気にならなくなったらしい。おそらく『ドラえもん』のコンセプト自体が不変なものであることに加えて、声優陣のさすがの実力によるところも大きいだろう。

 泣き虫ののび太、優しいしずかちゃん、嫌味のスネ夫、いじめっ子のジャイアン、そして頼れるドラえもんという設定は変わらず、“困ったときに助けてくれるドラえもん”という存在は今も昔も子どもたちの憧れの存在なのだ。

 令和の小学1年生に『旧・ドラえもん』を見せたところ、子どもたちにとってドラえもんが面白くて楽しいもの、というのは時代を超えて変わらないと分かった。ある意味、衝撃だったな。さすがは名作『ドラえもん』だ。

 そういえばスネ夫が風船で飛ばしていたテレホンカードと、ジャイアンが持ってきたラジカセは次女には分からなかったみたいだ。“The 昭和”のアイテムを見ると、ちょっと感傷的になってしまうものだな。