『ジョジョの奇妙な冒険』日常生活で使い勝手の良さそうな6部のスタンドは「ストーンフリー」一強?の画像
『ジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャン』(c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険THE ANIMATION PROJECT

 1986年から『週刊少年ジャンプ』で連載開始された、荒木飛呂彦氏の『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)。現在は第9部となる「The JOJOLands」が連載中で、コミックスの第1巻が8月18日に発売となった。

 漫画連載だけでなく、2012年からは各シリーズのテレビアニメが制作されており、2023年4月には第6部「ストーンオーシャン」のテレビアニメ放送が終了し、シリーズ初の女性主人公・空条徐倫の物語が幕を閉じたばかりだ。

 さて、『ジョジョ』シリーズの代名詞と言えばスタンドと呼ばれる能力バトル。シリーズを追うごとにその能力も複雑化し、毎回予想もつかないバトルが繰り広げられている。

 6部に登場するスタンドの中ではプッチ神父の使う、重力を逆転させる力を持つ「C-MOON」や、脱獄を試みようとした者を3つの事柄しか記憶できなくさせるミューミューによる「ジェイル・ハウス・ロック」など、とにかく強く能力が複雑で、攻略が難しいスタンドが多く登場する。視聴者も「どうやったら勝てるのか?」と手に汗握りながら徐倫の戦いを見守ったことだろう。もし自分が同様のスタンドを手に入れても、能力を理解することすら難しく、使えこなせなさそうなものが多い。

『ジョジョ』のスタンドたちについて、「自分だったらどの能力を使ってみたいか」というのは多くのファンが一度は考えたであろうテーマ。今回は、殺伐とした本編の世界観から離れて、日常生活で最も便利そうな6部のスタンドは何かについて考察してみたい。

■使い勝手が良さそうな「ストーン・フリー」に「キッス」

 まず筆頭に上がるのは、徐倫の使う「ストーン・フリー」だろう。糸を操るスタンドで、ほかのスタンドに比べると能力自体はかなり地味に感じるが、応用力が高いのが魅力。糸を通して糸電話のように遠くの音を聞いたり、遠くのものを取るのにも便利、糸なので編むこともでき、怪我を縫って治療として利用することもあった。

 また本編では徐倫が自らの体を糸にして狭いところを通るシーンもあった。バトルをしないのであればなおさら、徐倫のスタンドは日常生活を送るうえであらゆる面で活躍する十徳ナイフのような存在だろう。

 そんな徐倫の仲間であり、男気のあるエルメェス・コステロのスタンドである「キッス」もなかなか便利そうだ。

 簡単に言えばシールを貼れば物を2つに増やすことができ、はがすと1つに戻るという能力で、1つに戻るときには、コピーがどれだけ壊れていても元に戻る。

 自分の意思だけでつけ剥がしができず物理的に「貼る」「剥がす」という行動が必要となるが、シールを剥がした物体が1つに戻ろうとする力を利用して物体を引き寄せたりもできる上、日常生活において、大切なものや壊れやすいもののの予備を作っておくことができると考えれば喉から手が出るほどほしいスタンドだ。

■一度は使ってみたい「ドラゴンズ・ドリーム」に「ボヘミアン・ラプソディー」

 ちょっと面白いのはケンゾーの使う「ドラゴンズ・ドリーム」だろう。風水の「吉の方角」と「凶の方角」を矢印で指し示すだけのスタンド能力だが、その信憑性は絶対だ。

 安全な方角にいる限りは幸運に守られ、逆に凶の方角に入れば必ず何かしらの不幸が起こるというこのスタンド。敵味方関係なく発動するが、バトルとはかけ離れた生活を送る我々には特に関係ないことだ。シンプルながら、いつも肌身離さず持ち歩いていれば不運に見舞われることはないだろう。毎日をちょっと楽しくしてくれそうなスタンドだ。

 日常生活において便利とは言えずとにかく恐ろしいスタンドだが、一度は憧れるのがウンガロの「ボヘミアン・ラプソディー」。これは絵画やコミックなどのキャラクターを実在化させるというスタンドだ。作中ではピノキオやママヤギと七ひきの子ヤギ、ゴッホの自画像などが登場した。

 その能力はキャラクターを好きな人間の魂は物語の世界へ引きずり込まれ、キャラクターの迎える結末と同じ展開を迎えるというもの。自分がなったキャラによってはバッドエンドを迎えてしまうこともあるが、「ファンタジーの世界を生きてみたい」「2次元のキャラになりたい」という人にとってはたとえ危険でも体感してみたいスタンドだろう。

 このほかにも、6部には複雑だが興味深いスタンドが多く登場する。日常生活では使いづらそうな壮大なものも多いが、一方で地味な能力をうまく戦いに利用しているキャラクターが多いこともわかるだろう。