4月22日の「よい夫婦の日」や11月22日の「いい夫婦の日」など、夫婦についての記念日は多々あるが、8月22日は松たか子さんと阿部サダヲさんの映画『夢売るふたり』に登場する夫婦にちなみ、「ヤバい夫婦の日」として日本記念日協会により記念日認定されている。
二人の行動やぶっ飛んだ性格、夫婦としての関係性、それぞれの肩書きや社会的地位などなど、フィクションの世界においてはキャラが“ヤバ”ければヤバいほど魅力的。今回は記念日にちなみ、漫画やアニメに登場する「ヤバい夫婦」を紹介していきたい。
■『ARMS』高槻巌&美沙
皆川亮二さんによる漫画『ARMS』(小学館)には、世界最強の夫婦がいる。それが主人公・高槻涼の育ての親である高槻巌&美沙夫婦。
この二人の経歴は凄まじく、傭兵として世界中で活躍する裏社会でその名を知らないものはいない実力者。夫・巌はマフィアの本拠地へまるでコンビニで買い物でもするかのようにたったひとりで入り込み、あっさり壊滅。一方の妻・美沙は、機械で強化した武装兵士数名に囲まれても平気な顔で応戦して全滅させてしまう。
ただそんな強さを普段はまったく隠して生活しており、巌はスーツを着た「単身赴任中のサラリーマン」で、美沙もエプロン姿の「ただの主婦」という表向き。だからこそ両者を甘く見てイキがる敵は、明らかな死亡フラグが立ってしまう。
作中では二人がそろって戦う場面はなかったが、『ARMS』の世界でこの夫婦に勝てる人間はいないのではないだろうか。
■『SPY×FAMILY』ロイド・フォージャー&ヨル
身分を隠す最強の夫婦といえば、遠藤達哉さんによる漫画『SPY×FAMILY』(集英社)のロイド・フォージャーとヨル・フォージャーもそうだろう。ロイドはスパイで、ヨルは殺し屋。しかも愛し合って夫婦になったわけではなく、世間の目を欺くために生活をともにする仮面夫婦というところだ。
そんな関係はすぐに破綻してしまいそうに思われるが、互いに裏の社会で生きているからこそ通じるモノがある。そして娘・アーニャを命を賭けてでも守ろうとする姿勢も同じ。そんないびつな関係でありながらも表向きは仲睦まじく、裏では本業をしっかりとこなす。まさに“ヤバい夫婦”と呼ぶに相応しいだろう。
■『名探偵コナン』工藤優作&有希子
青山剛昌さんによる漫画『名探偵コナン』(小学館)の、主人公・工藤新一の両親である工藤優作&工藤有希子もヤバい夫婦だ。両者ともに好奇心が勝って、命の危険を顧みずに殺人事件や黒の組織にどんどん踏み込んでいく。二人がメインとなる話は少ないものの、登場回は人気の高いエピソードばかり。
有希子は新一を助けるためとはいえ、変装をしてまで黒の組織や公安の目を欺く。優作はそんな有希子を止めることもなく、平然とサポートしているから恐ろしい。
工藤夫婦は、自らの命よりも謎を解き明かすことのほうが大事のようだ。新一が危険な事件に首を突っ込んでいくのも二人の子どもだから当然か。平凡になりがちな漫画の両親キャラの中では珍しい、特にぶっ飛んだ夫婦と言えそうだ。
■『ドラゴンボール』クリリン&18号
鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)では、孫悟空とチチ、ベジータとブルマなどいろいろな夫婦が生まれた。そのカップルのひとつがクリリンと人造人間18号。2人の間にはマーロンという娘まで生まれており、いつの間に結婚していたのかと読者を驚かせた。
クリリンといえば地球人最強説もある実力者だが、妻となった18号はドクター・ゲロによって作り出された人造人間で、未来の世界で17号とともに孫悟飯まで殺害した最強の女性。だがセル編での戦いで未来は変化し、クリリンがシェンロンに頼んだことで体内に仕掛けられた爆弾も除去。普通の人間と変わらぬ生活を送れるようになった。
子どもを産んだ後も彼女の性格は基本的には変わらないが、クリリンを尻に敷きながらも良妻ぶりを見せており、天下一武道会ではミスターサタンに賞金譲渡を条件に「わざと負けてやる」と脅すなど、18号ならではの母親像を見せた。
以上4組を振り返ったが、漫画やアニメに登場するヤバい夫婦はいびつな関係に見えていずれも息がピッタリ。“ヤバい”ほどに相性抜群なカップルだ。