瀕死からの大逆転!『ONE PIECE』ルフィが“意識を取り戻す胸アツシーン”の画像
『ONE PIECE』エピソード オブ ルフィ ~ハンドアイランドの冒険~ [DVD](エイベックス・ピクチャーズ)

 連載開始からおよそ26年という歴史を積み重ねてきた、尾田栄一郎氏による『ONEPIECE』。強敵たちとの数々の激戦に勝利してきたルフィだが、瀕死の重傷を負い敗北寸前に追い込まれてしまうことも少なくなかった。

 今回は、各戦闘の盛り上がりが最高潮に達する瞬間である、ルフィが瀕死の状態から意識を取り戻して戦線に復帰する胸アツシーンを紹介したいと思う。

 

※以下には、コミック『ONE PIECE』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。

 

■海の底からの復活劇!「アーロン戦」

 まずは、東の海(イーストブルー)編にて戦った、アーロンとの戦闘を紹介しよう。

 アーロンパークに殴り込んだルフィは足を地面に突き刺し、海獣・モームを鷲掴みにしたまま“ゴムゴムの風車”で周囲の雑魚を難なく一掃する。しかし、アーロンは足が突き刺さったまま身動きが取れないルフィを地面ごと持ち上げ、海に沈めてしまうのである。海中で意識を失ったルフィは、これまでになかったほどの窮地に立たされてしまう。

 ナミの義理の姉・ノジコとゲンゾウがルフィの首を伸ばして顔を地上まで引っ張り、刺さったままの地面を破壊しようと奮闘するなか、アーロンと戦うゾロは先のミホーク戦で受けた大きな傷が開き、満身創痍となってしまうのだ。

 アーロンがゾロにとどめを刺そうとした時、サンジが海中でルフィの足元の地面を破壊。ゴムの身体が縮む勢いそのままに空中へ飛び出し、「戻ったァーーー!!!!」とド派手に戦線復帰を果たすのである。

 その場にいる誰もが空を見上げ、希望を見出して安堵の表情を浮かべるこのシーンは、その後の展開の盛り上がりを期待するだけでなく、ルフィが何気なく周囲に与えているポジティブさや、彼自身の奔放さを象徴している名シーンの一つと言えるだろう。

■太陽を背に颯爽と登場!「クロコダイル戦」

 続いてはアラバスタ編より、クロコダイルとの戦闘を紹介しよう。

 砂漠のど真ん中で追撃してきたクロコダイルに応戦するため、一人で戦いに挑むルフィ。しかし、文字通り掴みどころのないクロコダイルの砂の能力に勝機を見出せないまま、防戦一方となってしまう。

 かつてのオアシス「ユバ」に向けて作り出された“砂嵐”に激昂したルフィはクロコダイルに掴みかかるが、取り乱している隙を突かれ左手のフックに胴体を貫かれてしまうのだ。痛みに苦しむルフィはそのまま流砂に飲み込まれるが、クロコダイルが去ったあとに首だけ這い上がり「肉〜〜〜っ!!」と絶叫するのだった。

 バロックワークスのオフィサーエージェントたちに次々と勝利していく麦わらの一味だが、肝心の内乱はもはや歯止めが利かず、ビビは祖国で繰り広げられる無益な戦いに涙する。

 クロコダイルに「お前に国は救えない」と痛恨の言葉を浴びせられ、宮殿から落とされるビビが空を見上げると、ペルの背にまたがったルフィが「クロコダイル〜〜〜!!!!!」と叫びながら急降下してくるのである。

 ルフィの無事に安堵しながら集結する仲間たちに向けて「終わりにするぞ!!! 全部!!!」と士気を高めクロコダイルへ突撃、水を纏った拳でクロコダイルを力いっぱい殴りつけるまでの一連のシーンは、何度読み見返しても胸が熱くなってしまう。

■国が揺れた希望への10カウント「ドフラミンゴ戦」

 続いてはドレスローザ編より、ドフラミンゴ戦を紹介しよう。

 ドレスローザ編にて初めてお披露目となった“ギア4”。強力な力と引き換えにルフィの身体への反動はすさまじく、ドフラミンゴを仕留めきれないまま戦闘不能状態に陥ってしまうのだ。覇気が回復するまでの10分間ルフィが不在となったそのさなか、ドフラミンゴに操られたレベッカがヴィオラに切りかかろうとしていた。

 そこへコロシアムの実況者・ギャッツがマイクを取り、国中へ向けて実況を始めるのだ。ルフィがドフラミンゴへの一発K.O.宣言をしたことを国民に明かし、さらにドフラミンゴを挑発。国民を煽ってルフィ復活までの10カウントを始めるのである。

 レベッカが涙ながらにヴィオラに切りかかったその時、ローの“シャンブルズ”でヴィオラと入れ替わったルフィがレベッカの前に現れる。号泣するレベッカ、「行け」と一言発するロー、歓喜に湧きたつ国民、にらみ合うルフィとドフラミンゴ……と、さまざまな想いが凝縮されたこの1ページには、読者の誰もが震えたことだろう。

 ルフィの復活をこれ以上ないほどドラマチックに仕上げた尾田氏のストーリー構成には、心振るわされるばかりである。

■覚醒した解放の戦士「カイドウ戦」

 最後はワノ国編より、カイドウ戦を紹介したい。

 ワノ国編においてルフィは、何度もカイドウに敗北することとなる。初めて相対した時には“雷鳴八卦”で一撃で破れ、2度目はドクロドーム屋上での戦闘に破れ鬼ヶ島より落下、3度目はCP0の介入により“砲雷八卦”をまともにくらい、意識不明となってしまうのだ。

 ルフィが意識を失うたびに“四皇”の実力に絶望し、「ワノ国編では結局カイドウに勝てないのでは?」と想像した読者も少なくないだろう。

 これ以上ルフィに何ができるだろうと誰もが勝ち筋を見失っていた矢先、ルフィの新たな能力“ギア5”が覚醒する。このシーンは今までの復活劇とは大きく異なり、ルフィの“ゴムゴム”の能力を根底から覆す衝撃的なものとなった。

 読者の理解が追いつく間もなく繰り広げられる怒涛の展開はまさしく神がかり的で、ワノ国編だけに留まらず『ONE PIECE』の今後の展開全体に影響するほどの重大なシーンとなっていると思う。

 新技“ギア5”は8月6日放送のアニメでいよいよ登場することが明らかとなり、ファンの期待も高まっている。早くその全貌を見てみたい。

 

 これまで何度も描かれてきた瀕死のルフィの復活劇。定番化しているように見えながらも、そのドラマチックな展開には何度も胸が熱くなってしまうものだ。

 今後待ち受けるさらなる強敵たちとの戦いではどのような戦いが描かれるのか、期待が膨らみ続けるばかりである。