ゆでたまご(原作:嶋田隆司氏 作画:中井義則氏)による人気漫画『キン肉マン』では、さまざまな超人が登場する。とくにストーリーごとにラスボスとして登場するキャラの強さは際立っており、ウォーズマンやバッファローマン、悪魔将軍、キン肉マンスーパー・フェニックスたちが、キン肉マンとの名勝負を繰り広げてきた。
しかし、そんなラスボスたちを遥かにしのぐ活躍を見せたキャラが存在する。キン肉星王位争奪編で知性チームの先鋒として登場した「マンモスマン」だ。そこで『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されていた当時のマンモスマンの強さを検証してみよう。
■序盤から驚異の耐久力を誇るパワータイプの超人
マンモスマンの初登場はキン肉星王位争奪編になるので、『週刊少年ジャンプ』で連載されていたなかではかなり終盤となる。謎のベールに包まれた感じの知性チームのなかで、序盤戦から姿を現したのがマンモスマンだった。
1回戦の強力チームとの対戦では、先鋒戦で頭と両腕がペンチの形をしたツッコミどころ満載の超人・ペンチマンに一方的に張り手をされ、必殺技「ペンチ・クロー」を喰らう。ところがマンモスマンは次の瞬間、「パワフル・ノーズ・ブリーカー」でペンチマンを粉砕した。
続く次鋒のレオパルドンが意気揚々と登場するも、こちらは「ノーズ・フェンシング」で胸を突き刺され一撃で瞬殺されてしまう。なにしに出てきたんだレオパルドン……。
中堅戦では、マンモスマンに匹敵しそうな怪力のゴーレムマンが登場。ジャイアント・スイングをかけられて苦戦のシーンが見られるが、しかし、ちょっと本気を出した感じのマンモスマンは「ゴースト・キャンパス」でゴーレムマンの首をねじ切ってしまった。いやいや、怖すぎるだろう……。
そして見た目が“ロックマン”のような副将のキャノン・ボーラーは当初から三下扱い。だが、ラリアートの応酬で両者ダブルノックダウンとなってしまう。しかしこれは、マンモスマンの演技であり、大将戦で次鋒のスーパー・フェニックスをビッグボディと戦わせるためのお膳立てであった。
いきなり登場してきて、知性チームの強さを浮き彫りにしたマンモスマン。一人で勝ち抜き、おそらく大将戦を任されても圧倒しただろう。なにより強力チームのパワー戦でも動じない耐久力は凄まじく、まさにパワータイプの超人といえたな。
■バッファローマンをびびらせるほどの強さを誇る
準決勝で知性チームは、空に浮遊した立方体型リングで残虐チームと3対3のタッグマッチで戦うこととなった。
ここではマンモスとバッファローという野獣対決となったが、そこは氷河時代を乗り切ったマンモスマンが一枚上手。二本の巨大な牙を自在に操る「ビッグ・タスク」は、あのバッファローマンを「ひっ…ビッグ・タスク!!」とびびらせたほどだ。
ただ、ソルジャーの助言やキン肉マンを始め、悪魔将軍やネプチューンなどの強敵と渡り合ってきたバッファローマンも新技「超人十字架落とし」でマンモスマンを追い詰めていく。
最後は「バッファローBOMB」でリング外でのKO負けをしてしまうが、これは超人預言書を奪うための演技であり、マンモスマンは実力で負けたわけではなかった。その証拠に試合後もケロッとしているだけでなく、決勝戦前にはウォーズマンを奈良の竹林で倒し戦闘不能にさせ、そのまま決勝戦のリングにも万全の状態で上がっていたほどだ。
それにしても、悪魔将軍にでさえ果敢に立ち向かっていったバッファローマンをびびらせるなんて……。マンモスマンの強さははかり知れないと思ったものだ。
■精神的な脆さが弱点も裏切ったフェニックスに反撃するたくましさ
完全無欠という存在だったマンモスマンだが、意外な弱点が判明するのは対ロビンマスク戦だ。王位争奪編もクライマックスとなり、ロビンマスクとの一戦はかなりの名勝負となった。
超人強度はマンモスマンと比べて遥かに劣るロビンマスクだが、正義超人ファンの子どもが飼っているという青い鳥「ブルー・サンダー」の助けなどを借りて、マンモスマンと互角の戦いを演じていく。(って、試合会場に鳥かごを持って入れるセキュリティもどうかと思うのだが……)
ロビンマスクによると、マンモスマンはマンモス一族の中でも弱いマンモスとなるそうだ。そういえば、スーパー・フェニックスもマンモスマンは精神面が弱点だと言っていた。
その後、自分の予言書が燃えはじめてしまい、足からみぞおちあたりまで黒く変色し、消滅しそうになったマンモスマン。ロビンマスクに攻め立てられスーパー・フェニックスに助けを求めるも、冷たくあしらわれてしまう。
スーパー・フェニックスは、たとえ味方であっても利用価値がなくなれば容赦ない人物。そこでマンモスマンは裏切られたときのために隠し持っていた必殺技「アイス・ロック・ジャイロ」を繰り出し、凄まじいスピードでロビンマスクを空中で回転させ凍らせてしまう。そして、そのままロビンをスーパー・フェニックスとオメガマンに投げつけた。
スーパー・フェニックス相手に一矢報いるなんて、さすがはマンモスマンだ。技が豊富で、パワーだけではないのも彼の凄さだったと思う。
だいたい序盤戦に出てくる強敵キャラというのは後半になってかませ犬へと変貌するものだが、マンモスマンは終始強いまま扱われていたのが凄かった。強者ばかりの知性チームのメンバーだが、その中でもボス級の強さを持っていたのがマンモスマンといえるだろう。