5月4日みどりの日に振り返る、ザクだけじゃない魅惑の緑色モビルスーツ&モビルアーマーの画像
バンダイのプラモデル『RG 機動戦士ガンダム MS-06F 量産型ザク 1/144スケール』より
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 1979年から始まったアニメ『ガンダム』シリーズでは多種多様なモビルスーツが登場する。トリコロールカラーのガンダムをはじめ、シャア・アズナブルが搭乗する赤色の機体、砂漠仕様の茶色の機体などなど、一口にモビルスーツと言っても各機体のカラーはさまざま。

 今回は5月4日の「みどりの日」にちなんで、“緑色”のモビルスーツやモビルアーマーをクローズアップしてみよう。緑色の機体といえば、真っ先に思い浮かぶのは「ザク」という人が多いと思うが、他にも個性的な機体がそろっている。その性能を改めて振り返りたい。

■ドム10機とどっちがいい?「ビグ・ザム」

 ガンダムでは、ヒロイックなガンダム系モビルスーツ、「ザク」のような渋い量産機がさまざまなシリーズで活躍してきたが、ド迫力の巨大モビルアーマーも人気が高い。

 緑色では、やはり「ビグ・ザム」が外せないだろう。「ビグ・ザム」の全高は59.6メートル、総重量1936トンと、超ド級巨大モビルアーマーの元祖ともいえる存在である。

 武装は機体中央に位置する、存在感のある大型メガ粒子砲の他にも、メガ粒子砲が28門組み込まれている。足の爪のようなクローも、見た目通り攻撃力が高く、射出式となっており、ミサイルランチャーのような運用が可能。105ミリバルカン砲も2門付いていて、射撃戦では言うこと無しの武装となっている。

 と、ここまでの情報で考えると一騎当千の超高性能なモビルアーマーなのだが、ウィークポイントも多い。防御用に装備されているIフィールドは、中距離からのビームを完全に無効化することができるが、接近戦では普通に有効となる。そのため、接近されると意外に脆かったりする。

 また稼働時間は20分以下と短く、パイロットも3人以上が必要。もちろんコストも高い。ワンオフの機体ということから整備性も良くはなさそうだ。

 この取り回しの悪さについては「ビグ・ザム」の機長であるドズル・ザビが、アニメ『機動戦士ガンダム』の作中にて「リック・ドム」10機のほうが良いという旨の発言をしている。

『機動戦士ガンダム』作中ではソロモンから撤退する兵たちを逃がすため、時間稼ぎをするために出撃することとなる。

 初めはすさまじい火力で連邦軍を寄せ付けずに圧倒していたが、アムロの乗るガンダムによって撃墜される結果となった。ガンダムがいなければ、あるいは辛勝していた可能性もあるが、本来の要塞防衛用モビルアーマーとしてはやはり稼働時間20分という点がネックになるように思える。

 とはいえそんなウィークポイントも含めて、ロマンあふれるモビルアーマーで、今も人気の機体だ。

■ユニークで格好良い「クィン・マンサ」

 緑色の巨大な機体といえば「クィン・マンサ」も捨てがたい。「ザク」や「ビグ・ザム」よりも明るい緑色で、顔の特徴は「ガンダム」に近い。全体的にヒロイックで、ガンダム作品以外であれば主役機としても通用するようなデザインとなっている。

 そんな「クィン・マンサ」だが、登場作品の『機動戦士ガンダムZZ』の劇中では、サイコガンダムのようなポジションだった。

「クィン・マンサ」は全高42.1メートル。ファンネルが搭載された、ニュータイプ専用のモビルスーツである。強化人間であるプルツーがメインパイロットであったが、プルシリーズの中でも優秀なプルツーであっても、かかる負担が相当に大きそうだった。

 機体としては、デザインや大きさだけでなく、武装もユニーク。ファンネルは背面に30基と大量に搭載されており、ビーム・サーベルも巨大である。また、メガ粒子砲も左右の手首に1門、肩のバインダーにも左右1門ずつ、左右の胸にも1門ずつ、背部にも2門。そして、額部分に、脱出ポットとなったときにも使えるメガ粒子砲が3門備わっている。メガ粒子砲が体全体に散らばるように備わっているのである。

 名前、武装、デザインどれも、ユニークながら格好良いモビルスーツだ。有名なバリエーション機はクシャトリヤしかないものの、そのデザインの良さやユニークさから、コアなファンが多い機体である。

■戦闘もいける偵察機「ボリノーク・サマーン」

 前述の「ビグ・ザム」や「クィン・マンサ」とは打って変わって、全高約20メートルと、一般的なモビルスーツである。

「ボリノーク・サマーン」はジュピトリスにて開発された偵察用のモビルスーツで、頭部には特徴的なレドームを装備し優れた索敵能力を持っている機体。『機動戦士Zガンダム』作中では、パイロットのサラが乗り込んだ際、このレドームが光る描写がある。

 武装はビーム・サーベル、ビーム・トマホーク、メガ粒子砲、クロー、シールドが一体となったクロー・シールドと、肩部のグレネード・ランチャーだ。武装がシールドにコンパクトにまとまっているからなのか、一般的な偵察機とは思えない、充実した武装である。この辺りにシロッコの開発力が垣間見える。

「ボリノーク・サマーン」という名前も独特であるが、これは童謡「森のくまさん」のもじりでつけられたともいわれ、確かにずんぐりむっくりな体型が、熊を想起させる。

 独特な体型、偵察用、クロー装備と、ファンの間でアイドルのような扱いを受けている「アッガイ」との共通項も多い。どちらもよく見ると、なかなかにかわいい印象を受けるモビルスーツだ。

 この記事でピックアップした3機は、どれもユニークな見た目をした機体であるが、それぞれのデザインの良さがあり、筆者個人的にもお気に入りのデザインだ。緑色のモビルスーツ。アナタはどのモビルスーツがお気に入りだろうか。

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