『まどか☆マギカ』『未来日記』伏線に気づいた…? 物語のどんでん返し生む「未来からきた」キャラたちの画像
『魔法少女まどか☆マギカ』blu-ray第5巻

 漫画やアニメには、未来から来たキャラクターがたびたび登場する。いわゆる「ループもの」と呼ばれるジャンルは人気で、驚きのどんでん返しの展開が多くのファンの心を掴むのだ。

 今回は、未来からきたキャラたちのセリフに隠された「タイムトラベルやタイムリープをしていた伏線」を紐解いていきたい。

 まずは、萌え系アニメかと思いきや、先輩魔法少女が目の前でグロテスクに殺されるという第3話の展開をきっかけに人気を集めたシャフト制作のアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』。同作のストーリーの中で、魔法少女の1人である「暁美ほむら」が、主人公の鹿目まどかを救うために何度も何度も時間軸をさかのぼり一人で戦い続けていたことが明かされる。

 第1話では、ほむらがキュゥべえをボロボロにしていたシーンがあり、視聴者はキュゥべえがか弱い存在で、ほむらが悪者であるかのようにミスリードさせられた。

 しかしほむらが未来から来ており、キュゥべえこそが悪者であることは1話のまどかとのシーンからも察せられ、ほむらは転校したばかりなのにまどかが保健係であることや保健室の場所を知っていたりと不自然な点が多かった。これは彼女が時間遡行を繰り返していたからにほかならない。

『まどマギ』はそんな暁美ほむらの孤独で一途な戦いがあってこそ、ここまで話題作となったのだろう。はじめはメガネで引っ込み思案だった彼女が強くならざるをえなかった背景には胸がギュッとする思いだ。

■未来からきたキャラたちが抱える使命と情熱

 続いては、えすのサカエ氏によるサバイバルデスゲーム漫画『未来日記』。同作は未来を知ることができる日記を持つ12人が次期時空王の座をかけて殺し合いを行うというもの。

 同作に登場するヒロインの「我妻由乃」は、怖すぎるヤンデレヒロインとして有名だ。彼女は主人公の天野雪輝のクラスメイトでありながら重度のストーカーで、2人の愛のためならなんでもするという性格。

 物語の終盤では、この世界がループした2周目であることが明かされ、実は由乃こそが1周目の世界の優勝者だったことが明かされる。由乃は1周目の世界で死んでしまった雪輝と結ばれるため、2周目の世界の自分を殺害し、自分本人になりかわっていたのだ。

 そのため作中では、2周目の自分を殺したあとの1周目の由乃は雪輝を「ユッキー」と愛称でなれなれしく呼んでいる。またアニメの1話ではさらに伏線が顕著で、物語の幕開けとともに雪輝の遺体を必死に揺り起こす1周目の世界の様子や、何も知らない2周目の由乃が自宅で1周目の由乃に殺される際に「天野君……」と名前を呼んでいるシーンが差し込まれていた。

 あらためて1話のアバンを見ると、その周到さに圧倒されるだろう。

「未来からきた」キャラといえば『涼宮ハルヒの憂鬱』に登場する「朝比奈みくる」もそうだろう。彼女は涼宮ハルヒ率いるSOS団の書記で、気が小さくふわふわとした印象を与える美少女。しかし実は、彼女ははるか未来から来た人物で、神に等しい現実改変能力を持つハルヒの監視係だった。

 彼女は作中で現代では当たり前のことも知らないことが多く、例えば浴衣を見たことがない、船が浮力で水に浮くという常識を知らないなど、ただの天然ボケでは説明できないおかしさを感じさせる場面はたびたびあった。

 これらのように、注視すると登場人物の発言に違和感を感じるシーンは意外と多くあるものだ。未来から来た彼らは少なからず、過去の出来事に対する強い意志を持っているキャラばかり。その情熱が彼らのキャラクターとしての魅力となり、私たちの心をひきつけてやまないのかもしれない。