『DEATH NOTE』ワタリは有能な狙撃手だった!能ある鷹は爪を隠す…普段はおとなしいのに意外な大活躍を見せたキャラたちの画像
アニメ『DEATH NOTE』(C)大場つぐみ・小畑健/集英社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ

 古くから「能ある鷹は爪を隠す」と言われるが、漫画のキャラクターも、普段はおとなしいのにここぞというシーンで意外な大活躍を見せることがある。代表的なのは『鬼滅の刃』の我妻善逸だろう。いつもは泣き虫でヘタレな彼が、意識を失うことで実力を発揮し雷の呼吸「霹靂一閃」で敵を手散らすように、そのギャップに驚かされることは少なくない。

 今回は作中で意外な活躍を見せた「能ある鷹は爪を隠す」を体現したキャラを紹介したい。

 まずは、原作・大場つぐみ氏、作画・小畑健氏による『DEATHNOTE』に登場する、名探偵Lの右腕であるワタリ。見た目は70代の物静かな老紳士であるワタリは、人前に姿を見せないLの代理人として様々な人物と接触したり、甘いものばかり食べているLにお茶やお菓子を用意したりとLに寄り添ってきた。

 そんな彼だが、第三のキラである「ヨツバキラ」を捕まえる際、意外なスナイパーとしての活躍を見せる。上空に停止したヘリの中から、ライフルでヨツバキラの車のタイヤを撃ち抜いたり、さらに自殺をしようとした彼の拳銃を弾き飛ばすなど、常人にはとてもマネできない銃の腕前を見せたのだ。

 それだけでなく、物語の第1部の終わりでは、彼が偉大な発明家であったことが発覚する。ワタリは発明資金で世界各地に孤児院を創設していた。Lやニア、メロたちの出身地である「ワイミーズハウス」もその1つだった。

 なお、『DEATH NOTE』にはこのほかにも意外な活躍を見せたキャラがいる。第2部でニアとともにキラを追うSPKのメンバーのジェバンニだ。彼は作中において聞き込みや魅上の尾行などを行っており、それまで派手な活躍はなかったが、物語のクライマックスではその器用さを生かしてデスノートの完璧な複製を一晩で行った。ニアの「ジェバンニが一晩でやってくれました」というセリフはネットミームになるほど話題となった。

■『暗殺教室』目立った活躍のなかった茅野カエデの正体は

 続いては松井優征氏による『暗殺教室』。これは落ちこぼればかりが集められた3年E組の生徒たちが未確認危険生物の担任教師・殺せんせーを暗殺しようと成長していく物語だ。

 クラスメイトのひとりで、ヒロイン枠でありながらもずっと目立った活躍のなかった茅野カエデは、終盤に読者も予想していなかった活躍を見せる。実は彼女は、殺せんせーを殺すために素性を隠し、自身に触手を移植してまで暗殺の機会を伺っていたのだ。

 これは彼女が類まれなる演技力で一年近く自身が目立たないよう外堀を埋め、かといって目立ちすぎないのも疑われるからとダミーの暗殺までしかけて「あえて目立たないよう行動していた」というもの。本当は学力も体力も一流の高い能力を持っているのだ。完全に周りの意表をついた彼女の行動は、物語の面白さをさらに加速させた。

 このほかにも『封神演義』の主人公・太公望など、おとなしいのに意外な活躍を見せたキャラクターは多い。『シティーハンター』の冴羽リョウは超一流の銃の腕前を持つスイーパーだが、普段は殺気をいっさい感じさせることなくお調子もの然とした姿を振る舞っている。『ONE PIECE』のキャラたちも凄腕であればあるほど己の実力を隠しており、シャンクスなどは酒場でチンピラに酒を引っかけられようが微塵も怒る様子もなく、ケンカを買うことはなかった。

「ギャップ萌え」とはよくいうが、才能をひけらかさないのに実は有能なキャラクターたちの、いざという時にしか見せないものすごい能力・才能が、読者の心を沸かせるのだろう。