『流星人間ゾーン』のゴジラ登場に『宇宙怪獣ガメラ』に両津勘吉も!「意外と知らない!?」夢の実写共演作(2)の画像
東宝DVD名作セレクション『流星人間ゾーン』第3巻より

 テレビ番組や映画でも仮面ライダーやスーパー戦隊、ウルトラマンといった、同じシリーズのヒーローたちがともに戦う展開が最近の定番となっているが、数十年前ならイベント映像やヒーローショーぐらいでしか目にできず、大変貴重な企画だった。

 そこで今回は作品を越えて共演を果たし視聴者を驚かせた、異質すぎた実写作品をいくつか紹介したい。

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■『流星人間ゾーン』ゾーンファイターとゴジラ

 1973年に放送開始された巨大ヒーロー番組『流星人間ゾーン』は、「ゴジラ」シリーズと同じ東宝映像美術制作の作品ということもあって、第4話からいきなりゴジラが登場する。

 ゴジラも1960年代後半になってくると、正義の味方の怪獣という印象を強く押し出すようになっており、『ゾーン』が放送された1973年の映画『ゴジラ対メガロ』はそのピークだった。人間のペットに成り下がったゴジラがヒーローの味方をする流れに違和感がまったくなくなっており、それは『流星人間ゾーン』でも同様だった。

『流星人間ゾーン』はガロガバラン星人に立ち向かうゾーンファミリーの活躍を描いたドラマで、ゴジラが彼らを助けるために計5回登場する。敵怪獣としてガイガンやキングギドラも登場するが、ゾーンとゴジラが敵を倒すために特訓するシーンや、ゾーンとゴジラが握手をするシーンなどもあり、人と意思疎通をとって戦う姿が印象的な作品だ。

 なおゴジラはその後、80年代後半に入って再び恐怖の存在として扱われるようになっていったため、他作品との共演は『バトルサッカー フィールドの覇者』『バトルベースボール』などのバンダイによるゲーム「コンパチヒーローシリーズ」ぐらいでしか実現することはなかったが、今再びクレヨンしんちゃんやエヴァンゲリオンとも共演するようになったりと、フットワークの軽さをみせている。

■『宇宙怪獣ガメラ』ガメラと宇宙戦艦ヤマトと銀河鉄道999と両津勘吉

 1980年に公開された昭和最後のガメラ作品となった映画『宇宙怪獣ガメラ』でも数々の共演が実現していた。

 もともと「大怪獣」だったはずのガメラが、いつの間にか「宇宙怪獣」になっていることも気になるが、今作の公開された1980年は『スター・ウォーズ』によって日本でもSFブームが巻き起こっていた時代。日本の特撮やアニメ界でも宇宙推しがすごかった。明らかに意識したであろう深作欣二監督による映画『宇宙からのメッセージ』なども公開された時代で、ガメラも例外ではなく宇宙ブームに便乗したのではないかと考えられる。

 同作はそれまでの「ガメラ」シリーズの名場面を再編集し、新映像をプラスした番外編的立ち位置の作品で、宇宙海賊船ザノン号からの侵略を阻止するために、宇宙の彼方からガメラが地球に帰ってくるという物語。劇中ではガメラが宇宙を飛ぶシーンにアニメの『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』が横を通過していくというサービス精神満点なカットがあるのだ。しかも「亀」つながりか、地上では葛飾区亀有公園前派出所まで登場する。作中で言及はされないが、角刈りにつながり眉毛の、明らかに両さんにしか見えない警官まで登場する。

 実際のアニメフィルムが合成され、BGMも使われるという夢のような共演。ネタ的に見えなくもないシーンが多い作品ではあるが、当時の子どもたちは大喜びだったに違いない。