操縦者が頭部に変形?バイクが膨らむ? 視聴者を驚愕させた「昭和アニメのインパクト大だった合体ロボ」3選の画像
『銀河烈風バクシンガー』Blu-ray第1巻より (C)国際映画社・つぼたしげお

 アニメや戦隊モノに登場する「合体ロボ」。別々の機体が合体して巨大ロボットへと変形するプロセスは、特撮ヒーローや魔法少女の「変身」に近いワクワク感を与えてくれる。

 たとえば1974年放送の『ゲッターロボ』では3機の「ゲットマシン」が状況に併せて順番を入れ替え「空・海・陸」に特化した3形態のロボットへと合体。さらに1983年の『光速電神アルベガス』になると3体のロボットによる分離と合体で「空・海・陸・地中・宇宙・救助」に適応した6形態もの巨大ロボットへ“ディメンジョン”した。

 もちろん『ライディーン』に「フェードイン」するひびき洸や『マジンガーZ』へ「パイルダーオン」する兜甲児もカッコイイが、合体が失敗したり仲間と必殺技を叫んだりといった「合体ロボ」ならではの魅力も外せない。

 そこで今回の記事では、筆者が特にインパクトがあると感じた「昭和アニメの合体ロボ」を紹介したいと思う。

■「チェンジサイボーグ!」主人公が空中で膝を抱えたままロボットの頭に“変身?”『鋼鉄ジーグ』

 最初に紹介する『鋼鉄ジーグ』は1975年に放送されたテレビアニメだ。主人公・司馬宙が巨大ロボ「鋼鉄ジーグ」を操り、日本支配を目論む邪魔大王国と戦う物語。主題歌にも登場した「ハニワ幻人」に懐かしさを覚える人もいるかと思う。

 そんな『鋼鉄ジーグ』では、合体相手となる仲間機体が存在せず操縦者は宙ひとり、それでも「合体ロボ」になれるのには理由があった。

 実は宙の身体は本人が知らないうちにサイボーグ化されており、彼自身がジーグの頭部へと変形するのだ。そこをめがけてビッグシューターからジーグの手足や胴体などのパーツが射出され「磁石の力」で「合体(ビルドアップ)」し巨大ロボ「鋼鉄ジーグ」となるのだ。

 ハンサムな宙がサイボーグに変身する姿は少し怖かったが、空中で膝を抱えながら頭部へと変形する過程はインパクトがある。さらに、この頭部だけで敵に攻撃をした際にはツッコミたくなった。

 後継番組『マグネロボ ガ・キーン』では男女ペアが空中でクルクル回って板状パーツになったりと、どちらも操縦者がシュールな姿になる点が特徴だ。

■「シンクロン合身だ!」5台のオートバイが巨大化した変形合体?『銀河烈風バクシンガー』

 理屈を超越した変形も「合体ロボ」が持つ魅力のひとつであるが、「バクシンガー」の場合もまさにそう言えるであろう。

 1982年に放送されていたテレビアニメ『銀河烈風バクシンガー』は「J9シリーズ」3部作の2作目となる作品。日本の幕末にも似た太陽系動乱期を舞台に、新撰組をモチーフとした「銀河烈風隊」の活躍を描いた物語。タイトルにも使われている「バクシンガー」は烈風隊所持の戦闘ロボットだが、その合体プロセスが面白いので紹介したいと思う。

 まず、ビリーやシュテッケンなど5人の主要メンバーがバイクに搭乗し、「シンクロン合身だ!」などの叫び声とともに軽快な合体BGMが流れる。すると、彼らが乗っていたバイクが「シンクロン理論」によって「巨大化」。足や腕など、それぞれのパーツに「変形」しながら「合体」することで巨大ロボ「バクシンガー」が完成となる。個人的にこの合体シーンが最高にかっこよかったと今も声を大にして言える。

 シリーズ1作目となる『銀河旋風ブライガー』はスーパーカー形態の「ブライサンダー」が「シンクロン原理」の応用で巨大ロボへ「変形」と「巨大化」する。3作目の『銀河疾風サスライガー』では「シンクロンシステム」が利用されなかったため、機関車が小ぶりなロボットへの「変形」をするだけにとどまった。

■「ダイラガーファイティングフォーメーション!」15機合体!『機甲艦隊ダイラガーXV』

 アニメ史上もっとも多くの機体が合体する主人公ロボットとして語り継がれるのが、1982年にテレビ放送された『機甲艦隊ダイラガーXV(フィフティーン)』である。物語は3つの惑星から選抜されたメンバーたちが、ガルベストン帝国と戦いながら宇宙探索の旅を続けるというもの。

 ロボットを構成するマシーンは車や飛行機などの形をした15体、つまり各々の操縦者が15人も存在するという大所帯な「合体ロボ」だ。合体シーンは意外にシンプルなもので、メインパイロット・安芸マナブの「ダイラガー!」のかけ声から通常20秒程度であらかた終わった。

 足元など安定が悪く見えるため「15合体する必要性は?」と疑問が残るものの、政治や宇宙探索など様々な試みをした意欲作でもあった。

 以上、今回は「昭和」のアニメから合体ロボを振り返ったが、平成に入っても「グレンラガン」や「ライジンオー」や「アクエリオン」など、多くの作品に引き継がれてきた。その魅力はこれからもやむことはないだろう。